消えがてのうた part 2

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zoom RSS 真澄コンサート 終わりました

<<   作成日時 : 2015/09/29 15:42   >>

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空模様が気になった27日、日曜日。
真澄ィングランド、コンサートの当日です。

ありがたいことに心配した雨は降らず、終日薄曇りの一日となりました。
コンサート直前まで、どのくらいのお客様においでいただけるか予想が立たないのはいつものことですが、
今回は大勢のお客様からご予約をいただき、蓋を開けてみれば意外や、満席。
補助椅子の心配までする盛況となりました。
これもひとえに皆様のおかげと感謝しております。
ありがとうございました。




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会場である「松の間」は、その名前の通り、中庭に向かって大きく開いたガラス窓から、蔵元真澄と共に300年の歴史を刻んできた一本の老松を臨むことができるギャラリーです。
ちょうど西陽が差し込む時間帯と重なってしまった昨年は、最初から最後までブラインドをおろしてのコンサートとなりましたので、真澄のシンボルともいうべきこの松をご覧いただけなかったことが心残りでした。
今回のコンサートを13時という時間から始めさせていただきましたのは、西陽が入る時刻を避け、皆様に中庭の風情を楽しんで頂きたいという思いがあってのことだったのですが、おりしも薄日の差す一日となり、ガラス越しに松の緑をお楽しみいただきながらのコンサートとなりました。






今回私が読ませていただいたのは、辻邦生の短編集「十二の風景画への十二の旅」の中から、”金の壺”にまつわる不思議な物語2編でした。
その昔、辻邦生の作品は、私にとって同時代の作家福永武彦と同じく、ひとつの標(しるべ)とも言えるものでしたが、最近ではその名前を聞くことが少なくなったような気がします。
「背教者ユリアヌス」「春の戴冠」といった大作に夢中でかじりついていたころが、遥か昔のこととして、懐かしく思い出されてなりません。

辻邦生という作家への個人的な思いもあって選んだ作品ではありましたが、正味40分に近い朗読を、最後まで興味を損なうことなく、聴いていただけるかどうかという不安があったことも事実でした。





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コンサートは二部形式。
第一部は、私、岡埜葡萄による朗読と武藤哲也のリコーダー演奏です。
朗読と音楽とが絡み合うことで、物語の魅力をより重層的に深化させたい、と言うのが私たちのスタイルです。
BGMとして、またはつなぎとしての音楽ではなく、その物語のために私たちが選んだ曲と朗読を、一緒にお聴きいただくことによって、物語の気配、または空気感のようなものを感じていただけたら、と考えています。
その意味では、朗読(ことば)と音楽は、どちらが主で、どちらが従といった関係ではなく、分かちがたくひとつになった言葉と音楽とで、現実とは異なるもうひとつの世界を作り出したい・・・・
それが私たちの目指すところであり、同時に見果てぬ夢でもあります。
その世界への旅が、聴いていただいた方たちを、つかの間でも、非日常へ誘う(いざなう)ものとなるならば、これ以上の喜びはありません。






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第一部が終わり、休憩のあとは武藤のリコーダー演奏です。
朗読の際演奏した曲も含め、今年のテーマはイギリス。
バロック期の作曲家、パーセルやR・カーの作品からスコットランド、アイルランド、イングランドの哀愁を帯びた民謡ほか、イギリスにこだわった全17曲を、いろいろな種類のリコーダーによる演奏でお楽しみいただきました。







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休憩時間は、皆さまお待ちかね、真澄の試飲タイムです。
今回はこの季節限定の「ひやおろし」と真澄を代表する吟醸生酒の2種類。
ソフトドリンクには真澄の梅酢ドリンクと、林檎ジュース。
お代わり自由の試飲とあってか、和気合い合いと話が弾む楽しい時間となりました。




それから数時間後、帰宅すると嬉しいメールが届いていました。
午前中、隣接する街で開催されていた近代詩文書展に行かれた方が、コンサートにもおいで下さり、その書展で感動した書のリズム、動き、間といった、身体的感覚と同じものを、私どものコンサートでも感じてくださった、といった内容のメールを下さったのです。






・・・・先にも書きましたが、朗読の中に、aostaさんの思いがありました。
ここには、本で活字を追っただけでは得られない、朗読者の解釈、思い、伝えたいものが、注意深く拝聴していると、感じられてきたのです。
それは淡々ともとれる朗読の中から伝わってきたのです。

それに重ねて、リコーダーの音が、音でどのように伝えたいのか、解釈したのか。
更にリコーダーにより辻邦生の文章が深くしみいるように感じられたのです。

活字だけでは伝わらないものがある。
午前の書と、午後のコンサートで、共に共通するものを感じました。

       〜 略 〜

私はドクトルマンボウこと北杜夫が好きでした。
その北杜夫と旧制松本高校で一緒だった、辻邦生の文にもまた、興味を持っていました。
地域性が感じられて、それもよかった。

        〜 略 〜






まだまだ勉強不足で、目標とするところに到達できる日は来ないのかもしれませんが、何より私自身が朗読を楽しみ、皆様と一緒に物語の世界へと飛翔することができたなら、望外の喜びです。
また一方で、同じ朗読者としての立場から、鋭いご指摘をくださった方もいらっしゃいました。
どちらのお言葉も、ありがたく、また嬉しく、これからの私にとっての大きな励みとなりました。

さて来年も秋分の日前後にセラ真澄でのコンサートを予定しております。
真澄ィターリア、真澄ィングランド、と続きましたから、3回目となる来年のテーマは・・・・
ふふふふ♪ もう心づもりはあるのですが、それは内緒(^^♪



最後になりましたが、昨年に引き続き会場を提供してくださいましたセラ真澄とスタッフの皆様、
昨年に引き続き、素晴らしいスピカーでご協力いただきましたMH audioの星野さんに、改めてお礼を申し上げます。
本当にありがとうございました。


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武藤哲也リコーダー&オカリナ教室はこちら → http://folli-2.at.webry.info/201503/article_4.html 







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コメント(12件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは。
内容も充実されていて、会場も綺麗な所で、試飲タイムもあって…素敵なコンサートになられて良かったですね。音楽の事とか朗読のこと、難しいことはわかりませんが聞かれいる方が引き込まれて行ったらそれが一番なのかなって思ったりします。先日テレビで朗読を拝見しましたが、読まれている方のほんの少しの読み方と言っていいのかよくわかりませんが、、そんなもの一つでガラッと変わって来てしまいますよね。
HT
2015/09/29 22:44
真澄コンサート、本当に本当にお疲れ様でした。そしてすばらしいライブを本当にありがとうございました!!素晴らしかったですね。あれから何度も思い出し、家でも話題になっております。それにしても最後の拍手の鳴りやまなかったことが、コンサートのご成功を何よりも象徴していましたね。辻邦生いいですね!朗読はすっかりその世界に入り込んでしまい、あっという間でした。まさに物語の世界へ“ペガサス”と共に飛翔いたしました。あれからお借りした二冊を夢中で読んでしまいました。本当にありがとうございます!演奏もすごかったですね。まさに心が踊りました。パーセルのムーア人の復讐のロンドは絶品でした。今朝もルネッサンス音楽集とジェズアルドを聴かせていただきましたよ。ずいぶん前から朝のお勤めのようになっております(笑)。まだ物語世界を飛び回っているのか、無意識に金の壺を探している今日この頃です。それでは本当にお疲れ様でした。金木犀の香る爽やかな空気の中で、コンサート続きでお疲れのお身体をご自愛ください。
フェンリル
2015/09/30 19:26
◇HTさん

いつも暖かい励ましのお言葉をありがとうございます。
今回の真澄でのコンサートが終わって、やっとひと段落です。欧米ではこれから本格的な音楽会シーズンになるようですが、寒さの厳しい信州、それも八ヶ岳周辺では夏が一番忙しい。これは私たちに限らず、ペンションやレストランでも同じで、陶器は休業というところも少なくありません。言うならば季節労働者というところです(;^ω^)
私たちのような小さなコンサートには、真澄は会場の大きさも、響きもちょうど良いだけでなく、場所的にもわかりやすいところにあり、知名度も高いこともあって大勢のお客様がご来場くださりました。
短編とは言え、朗読だけで40分という時間をどれだけ興味深くお聴きいただけるかが勝負でしたが、おかげさまで何とか無事終了することできたこと、本当に感謝でした。
来年のコンサートは、さらに充実したものにすべく、精進させていただきます。
aosta
2015/10/01 09:35
ご無沙汰しちゃいました。 秋になるとこういうしっとりしたコンサートとかに出会いたいな〜って思いますよね。毎回、大盛況のコンサート、大人気ですね! お疲れ様でした。今月はまた、あまり時間が取れず娘Hと軽井沢へ・・・行けるのかな〜? 行きたい! 
mint
2015/10/01 09:52
◇フェンリルさん

いつも私どものコンサートにお越しくださり、励ましの言葉をありがとうございます。
今夏は、朗読コンサートという形でいろいろなチャレンジをさせていただきましたが、都度新しい発見があり、これからのコンサートの方向性が見えてきたような気がしますが、それもフェンリルさんのおかげと心から感謝しております。

辻邦生の本もお楽しみいただいているご様子、嬉しいです。
それぞれの絵をご覧になりながらお読みいただいたことで、また違った感想をお持ちになられたのではないでしょうか。「十二の肖像画による十二の物語」は、ちょっとシリアスで「十二の風景画」とは、また一味違う作風かと思います。こちらも機会がありましたら朗読したいと思っています。フェンリルさんはどの物語が気になられたのか、聞かせていただくのが楽しみです。

パーセルのロンドは、現代イギリスの作曲家ブリティンが「青少年のための管弦楽入門」という作品の中で、オーケストラのために編曲したもので知られていますが、本来の時代背景を考えると、リコーダーとでの演奏はぴったりだと思います。お気に召していただけたと伺い、とてもうれしいです。自画自賛になりますが、チェンバロの響きもいいですよね。
aosta
2015/10/01 10:06
◇フェンリルさん

字数制限に引っかかってしまいましたので、二つに分けます。

>まだ物語世界を飛び回っているのか、無意識に金の壺を探している今日この頃です。

時間や空間を自由に行き来するこの物語は、不思議な浮遊感やデジャヴのような感覚を伴い、そこがまたたまらない魅力かと思います。「ペガサスの飛翔」で現実世界と鏡の中の世界が入り乱れるあたり、フェンリルさんがお好きだろうな、と勝手に想像しております。
鏡という言葉で私は、ブラッドベリの「10月は黄昏の国」の中の作品だったか、サーカスの鏡の部屋に魅了される小人の物語を思い出しています。ブラッドベリらしい哀しくてちょっと怖い物語。そういえば、江戸川乱歩にも鏡の世界に入り込んだまま帰ってこられなくなった男の物語がありましたっけ。乱歩の作品は来年著作権が切れるので、これから朗読される機会が増えるかもしれませんね。「屋根裏の散歩者」とか「人間椅子」とか、独特の雰囲気がありますので(ありすぎる?)ので安易に朗読はできないかもしれませんが、気になるところではあります(^^;)
でも私の場合は、やはり乱歩よりブラッドベリかな・・・
フェンリルさんとのお話の中で触発されること大です。またお知恵をお貸しいただければ幸いです。
aosta
2015/10/01 10:08
◇mintさん

最近更新も滞りがちで、すっかりご無沙汰しておりましたのに、コメントをいただきありがとうございます\(^o^)/

北海道では初冠雪とか。
八ヶ岳も一気に寒くなりました。今朝はジャスト1度。
氷点下になる日もそう遠くないかと思うと、暑かった夏も懐かしい(;^ω^)
軽井沢はもっと寒いんじゃないかしら。お出かけに際は暖かくしていらしてくださいね。
aosta
2015/10/01 10:12
コンサート大盛況だったのですね、、
秋の冷涼な空気と 共鳴しあうような
朗読の声と 調べだったのでしょう〜
凛と 長くの時を生き続けている 老松も
パワーをくれたのかも 知れませんね〜
辻 邦生 読んだ事がないですが こんど 試してみます〜
ちかくなら ぜひとも 聞きにうかがいたいものを、、
katananke05
2015/10/01 12:02
◇katanankeさん

コメント、ありがとうございます。
八ヶ岳周辺の狭い地域で、会場こそ違え、ひと夏に何回もコンサートをさせていただき、毎回お客様においでいただけるということは、本当にありがたいことです。いつも今度こそ赤字か!とひやひやしているのですが、これはもうお客様に感謝するほかないと思っています。
今回の真澄会場も、満席と言っても定員20名ほどの小さなコンサートでしたが、20名以上の方が、それこそ身銭を切って聴きに来てくださったわけで、ことは重大です。足を運んでくださった方が、つまらなかったと感じれば、その次はありません。一回一回が真剣勝負。お客様の笑顔と、良かったというお言葉が私たちのパワーです。もちろん今回は、松のエネルギーも助けてくれたと思います。
いつかkatanankeさんのお住いの近くでコンサートができる日が来るかしら?
その時はどうぞよろしくお願いいたします\(^o^)/
aosta
2015/10/01 18:39
コンサートお疲れ様でした。そしてご盛況おめでとうございます!
ご様子に触れて、希少なコンサートだとしみじみ感じました。
〜その意味では、朗読(ことば)と音楽は、どちらが主で、どちらが従といった関係ではなく、分かちがたくひとつになった言葉と音楽とで、現実とは異なるもうひとつの世界を作り出したい・・・・〜 ここ、特に惹かれます。でもまさに、そこを感じ取ってくださったお客様がいらした、、、ということの素晴らしさ、すごいです。今度聴きにいかせてください。
keikoさん
2015/10/01 20:49
◇keikoさん

コメントをいただきありがとうございます。
満席、大盛況とは言っても定員20席のこじんまりとしたコンサートなんですよ(^^ゞ
演奏、朗読にさいして私たちはマイクを使いませんので、このくらいのコンサートが一番やりやすいのです。お客様の表情や反応も目の前ということは、お客様からは、私たちの息継ぎのタイミングからちょとした動作まで全部見えてしまうわけで・・・・ごまかしようがない(笑)

今回はまだ喉の調子が万全でありませんでしたので、咳き込むことへの不安が過度の緊張へとつながり、台本を広げている手も、お行儀よく揃えてたはずの(笑)両膝も、いつもより震えてしまいました。でも不思議なことに声は震えない。今回に限りませんが、緊張している四肢と、朗読をしている部分とは、同じ私の身体のはずなのに別の部位のような感覚を覚えることがよくあります。
声が安定していることで自ら励まされる感じかな?、音楽と朗読で観客の皆様と同じ世界を共有する。大それたことを言うようで恥ずかしいのですが、今の年齢だからこそ、公言できる、と言うことも事実。いつかkeikoさんにもお聴きいただけたらどんなに嬉しいでしょう。その日のためにも、もっともっと経験を重ねたいと思います。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
aosta
2015/10/02 10:09
◇keikoさん

追伸です。
演奏、朗読にさいして私たちはマイクを使いませんのと書いていながら、ブログ本文にはスピーカーの文字が??と思われたかもしれませんので捕捉させていただきますね。
コンサートで使わせていただいた星野さんのスピーカーはCD演奏用のものです。悪しからずご了解くださいませ。
aosta
2015/10/02 10:12

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