アプリコットカラーの薔薇たち




さあ、何枚花びらがあるか、当てて御覧・・・
謎をかけるように咲くバフ・ビューティー。


画像

Buff Beauty 1939 Ann Bentall イギリス


淡くアプリコットを帯びた花は、1939年作出のロゼット咲き。ハイブリット・ムスク。
咲き進むにつれて微かに灰色を帯び、アプリコットというより、くすんだベージュ色に近くなります。
わずかに波打つ花弁が幾重にも幾重にも重なった優雅な姿には、今は耳にする機会も少なくなった、「ろうたけた」という表現が似合います。
ムスク系の爽やかで甘い香りもまた、この花の魅力のひとつです。



今年はたくさんの蕾をつけたバフ・ビューティー。花が咲く日を心待ちにしていました。
待ちに待った甲斐あって、ふんわりと一番花が咲き、次々に蕾がほころびかけた頃、時を同じくして雨、また雨。
わずかな晴れ間に咲いた花は幸せですが、朽ちていった蕾も少なくありません。
花が一番美しい6月は、いつも雨の季節です。

画像








同じアプリコットカラーの薔薇でも、こちらのアルキミストは、またちょっと違う雰囲気。
1956年、ドイツで作出されたこの薔薇は、咲き始めと咲き終わりとでは全く表情が異なります。

画像

Alchymist 1956 Kordes ドイツ





咲き始めは端正な剣弁高芯咲きなのですが・・・・

画像






やがて、緻密に花びらが重なるクォーター・ロゼット咲きへと変わってゆきます。
いったいどこに、こんなたくさんの花びらが隠れていたのでしょう。
見れば見るほど不思議でなりません。

画像






変わってゆくのは咲き方だけではないのです。
花の色も、咲き始めのアプリコットイエローは、次第にオレンジが濃くなって、やがてサーモンピンクのような複雑な色合いへと変化していきます。

画像



そしてさらに、花びらが細く反り返って、ポンポン咲きのように中心が盛り上がる頃には、自らの重さに耐えかねて俯いて咲く花の風情もまた風情があります。
刻々と変化するこの色と形が、アルキミスト(錬金術師)という名前が付けられた所以なのでしょう。





バフ・ビューティーの透明感のある繊細な美しさに対し、あでやかでグラマラスなアルキミスト。
散り際もはらはらと儚げなバフ・ビューティーに対し、アルキミストは花期も長く強健なイメージ。
どちらが好きといわれても、それぞれの美しさは比べようもありませんが、強いて言うなら、私はバフ・ビューティーかしら。
P氏はアルキミストが好みのようです。


薔薇の花が咲くたびに、知らず口ずさむのは、白秋のこの詩。






                         薔薇二曲    北原白秋


                            一  

                     薔薇ノ木ニ
                     薔薇ノ花咲ク。

                      ナニゴトノ不思議ナケレド。



                            二  

                      薔薇ノ花。
                      ナニゴトノ不思議ナケレド。

                      照リ極マレバ木ヨリコボルル。
                      光リコボルル。



                                        白金ノ独楽(はっきんのこま)より






ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 14

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス
かわいい かわいい かわいい かわいい

この記事へのコメント

HT
2015年07月03日 22:47
こんばんは。
沢山のバラが咲いているのですねぇ。私の家には1本しかありません…。手入れも大変でしょうが、こうしてお花が咲くと今までの苦労が吹き飛んでしまうことでしょうね。
一番最後の写真の花びら…こんなバラ見たことがないです。見入ってしまいました。
katananke05
2015年07月03日 22:56
うちも せっかくの2番花の ジェネラスガードナー
雨の中知らないうちにさききり 散っていましたよ、、 
今年購入の苗なので 1番花もいくらも咲かなかったのに
トホホ、です~

わたしは 刻々変化の アルキミストが すき、、かなあ、、
ANNA
2015年07月04日 05:01
aostaさん、おはようございます。

aostaさんのお庭には、いったい何種類の薔薇が咲いているのでしょうね。
いつもお写真で拝見するのが楽しみです。
バフビューティーは、咲き進むとくすんだベージュの色に変化するんですか。
ジュリアなどベージュ色を帯びた薔薇が好きな私は、バフビューティーに特に
惹かれました。花弁の感じも好きです。
2015年07月06日 10:55
◇HTさん

いつもありがとうございます♪
この薔薇、実はもう2週間ほど前に咲いたものなんです。忙しくてブログにアップできないまま、今頃になってしまいました。すでにみな花は咲ききっているのですが、大好きな薔薇なので、皆様に見ていただきたくて(;^ω^)
最後の薔薇、面白いですよね。
たくさんの花びらがみな外側に反り返って、こんな風に丸くなるのです。花びらがしっかりしているので、雨に打たれてもなかなか散りません。
2015年07月06日 11:06
◇katananke05さん

ジェネラス・ガーデナーを育てていらっしゃるのね!
イングリッシュローズの中でも人気がありますね。色も形もふわふわとしてとても素敵です。うちの薔薇は皆地植えです。どの程度ここの寒さに耐えられるか不安なのでイングリッシュローズは敢えてパス。魅力的な花が多いので残念なのですが、枯らしてしまったら可哀そうですし、防寒にかける手間もないので、もっぱら耐寒性の強いオールドローズばかり。アルキミストのようなモダンローズは数えるほどしかありません。
アルキミスト、見れば見るほど不思議な魅力のある花ですよね。
手をかけると愛情がわいてきます(#^.^#)
2015年07月06日 11:17
◇ANNAさん

コメントありがとうございます。
ふふふ♪ ANNAさんでしたらきっとバフビューティーがお好きだと思いました。
バフ・ビューティーのバフBuffはもともと、ごく淡いピンクがかった黄褐色というかろやや褪せたオレンジを指すようですが、咲き始めの時は確かにそんな感じもありますね。私がうっとりするのは寧ろ、咲ききった後の、少しづつ退色してして行く感じ。
ごく薄いオレンジ色がベージュに近くなって、さらにはグレイッシュなニュアンスも加わってきたころが、本当に美しいと思います。色に対する感じ方は人によって違うと思いますが、私はこうした微妙なニュアンスの色に魅かれます。
toshio
2015年07月06日 13:02
aostaさんのブログ記事は、パッと見て通り過ぎることができないので、コメントを書くために、まるで本の積ん読みたいにいくつかためてあります(笑)。
私が花の水彩スケッチで抱えている課題は、移ろう花の姿・色を描き留めるためにいかに迅速に仕上げるかということです。できれば写真ではなく、実物を見て描きたい。力不足のためにそれができずにいることがしょっちゅうなのですが、もし私がaostaさんのお庭に行ったら、24時間あってもとても絵の制作が追いつかず、パニックになるだろうなと思います。
今回の記事も、一つの花がこんなふうに大きく変化していく様子を見せていただいて、驚きと共に感動しました。これを絵に記録できるような力が欲しいと切に願います。
2015年07月06日 13:15
◇toshioさま

まぁ!嬉しいコメントをありがとうございます。
私の、というより薔薇のお手柄ですね!
バフ・ビューティーは優しく移ろう薔薇ですが、アルキミストの変化はドラマティックですよね。こうして咲き始めからの姿を並べてみて、改めてその思いを強くいたしました。まるで違う薔薇のようです。
同じ薔薇の枝に杏色とイエロー、ピンクと様々な花が咲く様子は見応えがあります。
アルキミストは場所があまりよくないのか、なかなか大きくならないのですが、今年は今までで一番たくさん花をつけました。
写真ではなく、ぜひ本物を見にいらしてください\(^o^)/

この記事へのトラックバック