風の薔薇




咲き始めは、ほのかなピンク。
咲き進むにつれ花びらは透き通るように白くなって、ふわふわと風に浮かびながら咲いている。




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可憐な花とは対照的に鋭い棘があるポールズ・ヒマラヤン・ムスクは、伸びたい方向に伸びて、
ガーデンシェッドの屋根に登った。

元々きっちり誘引するより、枝先が風に揺れる風情が好きな私は、(元来がなまけものという性格もあるが)
花が自らの力で這い上がるのを少し手助けする、といった程度の誘引しかしない。
細枝性のこの薔薇も、ガーデンシェッドの屋根に乗っけていただけなのだが、先日の嵐で屋根から落下し、
さすがに数か所を固定する必要に迫られた。
ほかの薔薇はさておき、このポールズヒマラヤン・ムスクに関してはPの出番である。
落下の心配がなくなった薔薇は、彼の心づくしに応えるかのように、雨上がりの庭で風に揺れている。






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開き戸の前に垂れた枝で、扉の開閉に不自由することはあっても、この眺めは捨てがたく、
今では、このガーデンシェッドは、薔薇のためのオブジェと考えるようになった。





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毎年こぼれ種で増え続けるフランス菊との穏やかな共演。
意図したものではないが、もともと原種に近い薔薇だから、野趣のある素朴な組み合わせが似合う。










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数年前、八重桜の根元から、知らないうちに野いばらが芽を出していた。
小鳥が、どこかでついばんできた実を落としていったのだろう。
桜の樹の邪魔になるからと、しきりに切りたがっていたPだが、この薔薇があるかないかの小さな棘で桜の樹に這いあがり、上へ上へと太陽の光を求めて伸びてゆく姿を見ているうちに、情が移ったのかもしれない。
ある年からふっつりと、切ろうといわなくなった。

小さな白い花を咲かせるようになったのはいつ頃からだろう。
今では八重桜が咲き終わった後で、、桜の花かと見まごうばかりの花を、樹いっぱいにつけるようになった。
今年は例年にも増して、こぼれんばかりの花つきである。





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花嫁の白いヴェールのように、優美に雪崩れる野いばらの花は、微かな風を捕まえては優しくさざめく。
木漏れ日が好きな植物たちを慈しむ桜の木陰で、カサブランカが香り立つ日も遠くはない。











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野いばらを運んできたのが小鳥だとすれば、風が運んできたひなげしも、ここが居場所と心定めたのか
毎年、オルラヤとフラックスの白い花と一緒にそよいでいる。






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手前のピンクの薔薇はアンジェラ。
なかなか大きくなれずにいたが、今年はフェンスの前後まで枝が伸びて、元気いっぱいに咲いた。






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この記事へのコメント

HT
2014年06月23日 22:37
こんばんは。
桜の木を這いあがって行っている薔薇が綺麗ですねぇ。でも、桜の木に影響はないのですか?。私の処の奈良井川に何の蔦なのか知りませんが木に蒔きついて木を殺してしまったものが何本もあります。こうして見ていると綺麗ですが、桜の木も大変でしょうね。最初の屋根の上に這い上がった薔薇は綺麗ですねぇ。仰られているうにドアの所に垂れてきている感じがとてもいいですね。
私、今部屋で黄色いバラを挿し木して育てています。毎日水を忘れないようにして、今はまだしゃんとしていてくれています。根が付いたら外に出してあげようと思っています。
2014年06月24日 05:42
◇HTさん

>桜の木に影響はないのですか?

藤の木などは樹に巻き付つくと成長とともに巻き付きが強くなって、支えている植物を枯らしてしまうことがるようですね。また蔦の場合はつるではなく、吸盤のようなもので樹木や建物の壁などに張り付いて伸長するのですが、中には支えてもらっている木から養分を吸収してしまい種類もあるようです。こうしたことなどから、つる植物は樹を枯らしてしまう、といわれているのではないでしょうか。
薔薇は、棘をひっかけるようにして這い上がっていきますが、「つる」とは言ってもいわゆるつる性の植物とは違って、巻き付くことはありません。強いていうなら、薔薇の葉が密に繁って、支えている木の光合成を妨げる可能性があるかもしれませんが、薔薇の葉自体が小さいので、この心配もほとんどないと思います。

野いばらは、小さな花がブーケのように集まって咲きますので、ひとつひとつの花は写真でご覧になるより、ずっと小さいのです。
花期は短く、花が散ると、小さな実を結びます。
小鳥たちはこの実が大好きなんですよ。薔薇の実を目当てに、たくさんの子鳥たちが集まってきます。特に餌が少ない冬場は、小鳥たちの貴重な食料となります。

挿し木の薔薇は黄色だったんですね!
黄色は、気持ちを明るくしてくれる色です。
しっぽ
2014年06月24日 11:47
ガーデニングにはとんとうといワタクシです。
花のカタカナ名前も 専門の言葉もしりませんが
最近はブームなんですね・・・しらなんだ。

庭いじり、、、という言い方好きです。
フランス語で 緑の指 という言い方があるらしいですが
草花を育てるのが上手な人のことだそうです。
aostaさんは さしづめそれですね。doigt de vert...
辞書にはみつかりませんでしたけど。

ゆらゆら あるともなしの風に揺れる花たち

うらやましいなあ と また言ってしまうしっぽでした。
2014年06月24日 17:55
aostaさん、ほとんど金曜の夜中から日曜日のお昼頃まで原村にいます。
7月の1,2週は法事で行けません。
日曜日の午前中ならお邪魔できます。

お庭、白い花にピンクが生えていますね。
是非現物を見てみたいです。

家の相棒がまたPさんたちと飲みたいなぁなんて言ってますよ!
2014年06月25日 06:25
◇しっぽさん

東京方面、昨日は雹が降る荒天だったようですが、大丈夫でしたか?
こちらもかなり激しい雨でしたが、大株になった植物を植え替え、新しい苗を植えたりと庭仕事がひと段落したあとだったので、水遣りの手間は省けましたが、薔薇には可愛そうな雨とないました。

ガーデニングというと何やら優雅に聞こえますが、我が家の庭仕事とは別世界のようです(笑)
確かにここ10年ほど薔薇ブームから始まったガーデニングが流行りのようです。はやりというからには、廃れてもおかしくはないかもしれませんが、もともと日本人は園芸が好きなのでしょうね。江戸時代末期から、明治時代にかけて来日した外国人は、小さな路地に整然と配置された鉢植えの数と、花の見事さに感嘆の声を上げたと聞いています。ヨーロッパでは、富裕層の趣味である園芸が、極東の小さな島国では一般庶民の大きな楽しみであったということが驚きだったようです。

doigt de vert 「緑の指」
フランス語で「緑」を意味するvertという言葉の響きが好きです。
私の指が緑かどうかは疑問ですが、好きであることは確かです。

>ゆらゆら あるともなしの風に揺れる花たち

私は、薔薇に限らず植物が風と戯れるように揺れている風景が好きです。
風が好き、と言ってもいいかもしれません。
2014年06月25日 06:30
◇さえさん

7月の第三週あたりからまたこちらにおいでになるんですね♪
日曜日というと20日? 7月8月とコンサートが続き、準備もありますので確約はできないのですが、お目にかかれたら嬉しいです(*^^)v

>家の相棒がまたPさんたちと飲みたいなぁなんて言ってますよ!

Pにとっては、望むところだと思います。 えっ?もちろん、私も(*^^)v
しっぽ
2014年06月25日 08:19
三鷹は大変で凄まじい白い川が町中を流れていました。
自然の厳しさ容赦ない側面…

風が好き は同じく!
不謹慎かもしれませんが 台風なんかも!

風の又三郎  タイトルだけで心がザワザワ ドキドキ(^ー^)
しっぽ
2014年06月25日 08:40
追伸

江戸時代の庶民の話 いいですね。社会が成熟していたということなのでしょう。
子供の頃近所の大叔母の庭にずらり並んだ盆栽!壮観でした。
箱庭なんていうのもある。
砂でお盆に庭かくみたいのも…よくしりませんが

庭は人間のテーマなのかもしれません。
自然と己の間の緩衝ゾーンとして取り込む意識 無意識
そこを いたずらにこねくり回さない
AOSTAさんのお庭はそんなですね

今朝は晴れでしょうか  (^^ )
ぶんな
2014年06月25日 19:25
八重桜に咲く野いばら、壮観ですね。
テッセンの植え替えをどこにしようかと迷っていますが、どれかの木の根元にしようかと思います。
2014年06月26日 21:04
◇しっぽさん

返事をお待たせしてしまい、申し訳ありません。

>三鷹は大変で凄まじい白い川が町中を流れていました。

テレビのニュースで見てびっくりしました。
川にも驚きましたが、雹の大きさにもびっくり!
あんなのが空から落っこちてきて、どなたも怪我をしなかったのが不思議です。

>不謹慎かもしれませんが 台風なんかも!

もしかして、しっぽさんと私は同じ種族かもしれませんね。
私、雷も大好きなんです。URLご覧くださいましm(__)m
やはり不謹慎でしょうか・・・・
2014年06月26日 21:30
◇しっぽさん

>江戸時代の庶民の話いいですね。社会が成熟していたということなのでしょう。

同じ時代の英国では、プランチハンターという人々が、世界中をかけずりまわって珍しい植物を探しては、本国に持ち帰り、高額な値段で売買していたようです。たくさんの日本原産の植物がヨーロッパに紹介されたのも同じころ。ぎぼうしだとか青木、山百合などの植物は、花の美しさ、葉の美しさで熱狂的な人気を得たそうです。時代劇など見ていると、まずしい長屋の軒先に、朝顔や万年青などの鉢が並んでいたりしますが、世界的に見ると、特別な財産も地位もない市井の人間が、植物を楽しみながら育てていたという事実は大変珍しいようです。昔も今も、春になれば市民がこぞって花身に繰り出す。こんな国、日本以外にはなさそうです。

盆栽、箱庭、砂盛リ・・・・
人は植物の向こうにもう一つの世界を見ているのでしょうね。

>庭は人間のテーマなのかもしれません。
自然と己の間の緩衝ゾーンとして取り込む意識 無意識
そこを いたずらにこねくり回さない

この3行は気持ちの奥深くで共振しています。
庭と無意識との関係・・・・
スイスで誕生した「箱庭療法」を日本にもたらしたのは河合隼雄さんですが、もともと日本人の深層心理の中には「箱庭的空間」というか「箱庭的意識といった感覚を豊かに持っている民族だったのでしょうね。

>自然と己の間の緩衝ゾーンとして取り込む意識無意識

このことに関しては、ゆっくりしっぽさんとお話させていただきたいと思います。
ちょっとわくわく(^-^;
2014年06月26日 21:38
◇ぶんなさん

野いばら、今満開の時を迎えています。
微かではありますが、優しい香りもするこの花は、ヨーロッパにもちこまれて、薔薇の品種改良に大きく貢献をしたようです。

テッセンは、凛と張った花びらの感じがいいですね。
我が家ではしばらく前にクレマチスのモンタナ・ルーベンスを植えたのですが、一度花をつけただけで枯れてしまいました。あの甘い香りや、優しいピンク色の花が大好きです。テッセンは同じクレマチスでも、可愛らしいというより、凛と潔い花を咲かせるイメージが強いですね。
樹の根元でテッセンが咲く日が待ち遠しいですね。
2014年06月27日 08:03
なんだか勝手にベニシアさんの庭を想像してしまうほどですね。バラもステキ!クレマチスもステキ!aostaさんちのお庭、とってもステキ~!
2014年06月27日 22:26
◇mintさん

こんばんは。
ベニシアさんの庭を想像していただいたとのこと、あまりにも恐れ多くて(笑)、ベニシイアさんに申し訳ないような気持ちになりました。
わたしなんか、いい加減な庭づくりなんですよ。
耐寒性や好みの問題から、四季咲きの現代バラではなく一季咲きのオールドローズばかりで、消毒もしなければ、薔薇にはつきものの肥料も寒肥のみという怠け者の庭なのですが、のんきに手抜きをしていたら、性格そのまま、ゆる~い雰囲気の庭になりました(;'∀')。
ANNA
2014年06月29日 00:30
aostaさん、こんばんは。
素敵なお庭に伺ってaostaさんにご案内いただいているような気持ちで
お写真拝見してます。ウットリ~
aostaさんの素敵なお庭を見ていたら、フィリパ・ピアスの「トムは真夜中の庭で」
のお話を思い出し、読み返しているところなんです。
時をテーマにしたタイムトラベルものが子供の頃から大好きなのですが、お話の中で
描かれる庭の描写にもとても心惹かれます。
aostaさんの素敵な庭を重ねては、あれこれ想像しながら読んでます。
少し前の記事のコメント欄でご紹介のあったH・G・ウェルズの「白壁の緑の扉」。
読んでみたいと思ってます。楽しみです!


2014年06月29日 11:45
◇ANNAさん

「トムは真夜中の庭で」を思い出していただけたなんて、本当にうれしいです。
ピアスは私も大好きです。タイムトラベルものも(^^♪
以前から思っていたのですが、ANNAさんと私、本の好みが似ているかもしれませんね♪

バーネットの「秘密の花園」を筆頭に、昔から「物語の中の庭」に強く惹かれていました。
夜の庭の魅力を鮮明に意識したのは、「ジェーン・エア」でロチェスターとジェーンが夜の薔薇園を散歩する場面でした。闇の中でほのかに浮かび上がる白い薔薇や、薔薇の香気が満ちた夜気、恋に憧れる少女には、これ以上ないほど素晴らしいロケーション(笑) そして、トムが初めて足を踏み入れた夜明けの庭の描写の美しさ。
ANNAさん、はジョーン・G・ロビンソンの「思い出のマーニー」をお読みなられましたか?タイムトラベルものの中では、アリソン・アトリーの「時の旅人」と並んで私のベストスリーに入る物語です。ここだけの話ですが「マーニー」がジブリでアニメ化されると聞いた時は少なからず残念な気持ちがいたしました。なんだか大切な宝物を取り上げられた子供のような気分、と言ったらお分かりいただけるかしら?
きっと素晴らしい映画なのだろうとは思うのですが、(「ハウルの動く城」の時もそうでしたが、)私は視覚的にイメージを固定されてしまうのが嫌なので、見る予定はありません。

「白壁の緑の扉」、覚えていてくださって嬉しいです。

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