フランス式庭園の魅力 パレス・ハウステンボスの庭
長崎のもう一つの顔と言えば佐世保市にある「長崎ハウステンボス」かもしれません。
その名の通りオランダの風景が忠実に再現されています。
日本に居ながらにしてして、ヨーロッパを感じることができるという趣向なのでしょうが、
正直言えば実際に行ってみるまで「?」といった感じがあったことは事実です。
さて実際のハウステンボスは・・・
街並みには、まがい物ではない本物の風格がありました。
そのうえ数々の陶磁器やガラス工芸の美術館。
時間がいくらあっても足りません。
そして庭園の素晴らしさときたら!
中でも印象的だったのが「パレス・ハウステンボス」のフランス式庭園です。
18世紀にフランスの造園家ダニエル・マローによって設計されたこの庭は造園の機会を失い、
長い間、設計図のまま放置されていた「幻の庭」でした。
200年後、マローの夢が初めて実現されたのが、このパレス・ハウステンボスの庭だということです。
庭園の周囲にはぐるりと緑のトンネルが巡らされ、
ところどころに開けられた「窓」から庭を覗くことができます。
そう、ちょうどピクチャー・ウィンドのように。
繁った緑の葉がまるで透かし模様のフレームのようですね。
ところどころに開けられた「窓」から庭を覗くことができます。
そう、ちょうどピクチャー・ウィンドのように。
繁った緑の葉がまるで透かし模様のフレームのようですね。
柔らかな曲線と、ストイックな直線。
計算されつくしたトピアリーや彫刻の配置。
中央の直線的な池を中心線にして、左右が完全な線対称にデザインされたフランス式庭園。
敷き詰められた白い玉砂利と緑の対照も鮮やかです。
計算されつくしたトピアリーや彫刻の配置。
中央の直線的な池を中心線にして、左右が完全な線対称にデザインされたフランス式庭園。
敷き詰められた白い玉砂利と緑の対照も鮮やかです。
上から見下ろすと、こんな具合。
リズミカルで優美な曲線を描く植え込みは、まるで一枚のタピストリーのようです。
リズミカルで優美な曲線を描く植え込みは、まるで一枚のタピストリーのようです。
映画「去年マリエンバードで」を思わせるような、清潔で整然と居住まいを正されるようなフォーマル・ガーデン。
柘植などの木を刈り込んで形作るトピアリーも、日本で植木屋さんが刈り込む松などと違い、あくまでも左右対称に形作られています。
シンメトリーを完全な美とする西洋的な美意識と、意図的に対称を避けアンバランスなものに美を見出す日本的美意識。
言うなればマントルピースと床の間の飾り方の違い、とでもいうべきでしょうか。
パレス・ハウステンボスのフロント・ガーデンにはたくさんの薔薇が植えられていました。
今回は早すぎて、薔薇の花を楽しむことはできませんでしたが、広大なハウステンボスの複数の庭で、薔薇は確実に大きく育っていました。
一度は経営的に破綻したハウステンボスが、もう一度観客を呼び戻すための庭つくりです。
大勢のボランティアの方たちの努力が報われるのも、そう遠いことではないかもしれません。
<追記>
6月1日付のかげっちさんのコメントを拝見して、はたと気がつきました。
テレマンのブロックフルーテ・ソナタ(リコーダー・ソナタ)をお聴きいただきながら、
今回の記事をお楽しみ頂けたらと思います。
http://papalin.yas.mu/W105/
この記事へのコメント
おはようございます。
平日のせいもあったのでしょうが、ずいぶん空いていてディズニーランドをイメージしていた私たちには拍子抜けでしたが、その分ゆっくりと楽しむことができました。口にする機会はありませんでしたが、佐世保ハンバーグ、有名なんですね。ガイドブックにも載っていましたっけ。
残念ながら、焼き物など見たいものはあったのですが佐賀は通り過ぎただけです。
ハウステンボスは今で言う、エコの思想を開園時より掲げ、海水の真水か、園内を循環する海水の浄化、園内で使われた汚水はすべて園内で浄化し再利用する、馬糞その他の植物物も終わったものを堆肥化する完全循環型のしせつです。建物のレンガもすべてオランダから輸入した、すべて本物の施設です。
この初期投資に、驚くほどの資金を注入したことが、今はあしをひっぱっています。
懸命の経営努力をしているのですが、大都市から遠いこの地では集客は見込めず、アジアからの集客で再建しつつあったところに、円高、新型インフルエンザと、厳しい経営をされてるようです。きたことのある方には、本物のよさがわかってもらえるとおもうのですが、先週行って来た東京デイズニーランドの若い人であふれかえった園内の熱気と比較するとき、、ハウステンボスの高い理念をまもろうとと、必死の経営度量苦をされてる、ハウステンボスがかわいそうになってしまいます。はるかに、深いはるかにいい、しせつなんですが。
皆様のお越しを待っています。
こんばんは。
庭はこのフランス庭園だけではありませんでした。
見事なまでに色やフォルムなど、良くバランスが考えられた素敵な庭や植え込みがあちらこちらにあって、花の季節はさぞかし美しいことでしょう。
チューリップとはまたちょっと趣の異なるシックな庭でした。
薔薇園は花フェスタ記念公園の設計をした方が手掛けた、と聞いたように思います。薔薇の季節には素晴らしい花がみられるのではないかしら。
その節はありがとうございました。
ハウステンボス、環境に配慮した素晴らしい理念を実現した街だったのですね。
語指摘があるまで、何も知りませんでした。
私たちが出掛けた時のアジアから、と思われるお客様が大勢見えていらっしゃいましたが、その後のインフルエンザは確かに打撃であったことと思います。
>煉瓦の一つから、本物・・・
もう少し近い所に住んでいたら頻繁にお邪魔するでしょうに、とっても残念!!
こんばんは。
>ハウステンボスでしか聴けないコンサート・・・
ロケーションとしては最高でしょうね。
音響にしても天上の高い建物がほとんどですから、期待できるのではないかと思われます。私が知らないだけで、すでにコンサート会場としても利用されているのかもしれません。
たとえば、園内どこに行っても「テレマンとその時代」の曲が聞こえる、という趣向はどうでしょう?食事をすれば食卓の音楽、散策をすれば狩りの音楽、ミュージアムに入ればブロックフレーテソナタとか・・・
>「さまよえるオランダ人」でないことだけは確かです・・・
声を立てて笑ってしまいました。朝から楽しいコメントを拝見して、今日は良い一日になりそう!
マローはこの庭をオランダの宮殿のために設計したものらしいのですが、「ちから」を象徴する豪華な庭園は、宮廷音楽と同じく、絶対君主を戴かないというオランダの国民性に合わなかったのかもしれませんね。
ターフェルムジークを聴きながらの食事、軽快な狩りの音楽を聴きながらの散策、どこにいてもテレマンが聴こえてくる園内、素敵でしょうね。
そういえば、ハウステンボスには馬車が似合いました。たてがみやシッポを当時にように綺麗に編み込んだ馬に乗って園内を回ることもできるようです。
思いついて、本文末尾にテレマンの音楽(ブロックフレーテ・ソナタ)をリンクいたしました。
お楽しみいただけたら嬉しいです♪
え?「こんなことで、受けるとは・・・っ」て・・・
「さまよえるオランダ人」の事ですよね?
でも、さらっと、こういう言葉が出てくる感覚はとても好きですし、素敵だと思います。「なるほど!確かにそれはあり得まい!!」って思って私としては大受けしたのですが。
>aostaさんって、いいなあ(爆)
↑
(爆)が少し気になりますが、これは褒めていただいているのでしょうか?
褒めていただきましてありがとうございます(笑)。
>嬉しかったらカラカラ笑え
なんとなく室町あたりの古謡か「戯れうた」の雰囲気かな~、と思って検索してみました。
そしたらなん、村田秀雄だったんですね!!!!!
ワグナーから演歌?!
この落差が面白くて、それから、私の思い込みも愉快に思えて、またまた朝から大笑いでした。
私はギャグを言えない、言ってもタイミングが悪かったりして、場を白けさせることしかできないので、上手にギャグを飛ばせる人を尊敬してしまいます。
そんな言われ方すると赤面してしまうからやめてください
演歌が好きなわけではないのですが、母や祖母が好んだ歌を幼い頃から聞かされているうちに歌詞を覚えてしまった曲がたくさんあります。でもいい文句でしょ?
私は素直でない人間なので、素直に笑える方がうらやましいです。
おはようございます。
>母や祖母が好んだ歌を幼い頃から聞かされているうちに・・・
子どもたちがまだ小さかったころ、背中をとんとん叩きながら寝かしつけていたとき記憶の糸がほぐれるように思い出してきた歌がありました。
「ねんねのお里は よいお里
ポチポチ子牛も 遊んでる
牧場の 牧場の れんげ草
誰だか 遠くで 呼んでいる」
昔、母がよく歌ってくれた子守唄です。
一番古い「うた」の思い出かもしれません。
今となっては誰も知らないと言いうこの子守唄は、私と母との宝物です。
成人した子供たちもこの子守唄を覚えているようです。
その子守唄、日本的じゃない歌詞ですね。節はどうなんでしょ?情景は昼間ですが、午睡を誘う唄なんでしょか。
日本的じゃない歌詞・・・
言われてみて初めて気がつきました。確かに「牧場」に遊ぶポチポチ「子牛」は日本というより、どこかヨーロッパの風景のようですね。
でもメロディーだけ聞いていれば、物悲しい短調の「日本的」子守唄です。
私ももっと知りたくなっていろいろ調べてみたのですが、同じタイトルで 作詞 が中村 雨紅.、作曲 が杉山はせを による歌は、「ねんねのお里は よいお里」までは同じですが、そのあとが全く違いました。
私の記憶にある「ねんねのお里」は見つかりません。謎です。
おはようございます。
「ねんねおお里」の正しい題名は北原白秋作詞中山晋平作曲の「げんげ草」でした!いくら検索しても見つからないわけですよね。
添付URLでお聴きになってください。
歌詞は4番までありました。私がおぼえていたのは、2番まで。
それも、元の歌詞とはちょっと違っています。
ちなみに正しい2番は
「ねんねのお里は よい田舎
ねんねのお汽車で 下りたなら
道は一筋 田圃道
藁屋に緋桃も 咲いている」
わたしが覚えていたのは
「ねんねのお里はよいお里
ねんねのお里についたなら
道は一筋たんぼみち
お背戸で子やぎも鳴いている」
というもので、4番と部分的に一緒になっています。(私の記憶の中になぜ「子やぎ」が登場したかは不明ですが・笑)
母は4番まで、歌ってくれたのでしょうね。
それでもわたしの「げんげ草」はこの記憶の中にある歌。幼かった昔の大切な思い出であることに変わりはありません
おはようございます。かげっちさんとのやり取りではからずも遠い思い出の歌を確認することができました。
白秋だったんですね・・・
どこか西洋風な光景も、白秋のハイカラ趣味なのかもしれません。
歌詞が違うのは、母が変えたのか、私の記憶違いかわかりませんが、母が自分の歌いやすいように歌詞を変えた可能性を疑っています(笑)。
おかしくて眠れない子守唄、それも懐かしい思い出ですね。