消えがてのうた part 2

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zoom RSS 不運なカタツムリ

<<   作成日時 : 2015/11/20 09:20   >>

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シンクでレタスを洗っていたらカタツムリが一匹、這いだしてきた。
良く太って、つやつやと健康そうなカタツムリ、いったいどこから旅をしてきたものやら。

思わずつまみあげて、新鮮なレタスの葉っぱと一緒にステンレスのボールの中に入れた。
カタツムリはレタスの上を、何かを確かめるようにゆっくり這ってゆく。
私に取り立てて考えがあったわけではないが、庭に放しても、きっと、寒さで死んでしまう。
差し当たってお腹が空けば、レタスの葉をかじるだろう。
だからと言ってそのまま飼うつもりもなく、結論をただ先延ばしにしただけなのだけれど。

翌朝、レタスの葉っぱの中にカタツムリはいなかった。
どこへ脱走したのか気になっていたが、気がつけば、シンク横に伏せてあったコーヒーカップの下で
小さく干からびていた。
暗闇に乗じて密かに這い出したのだろう。
ボールの中より、コーヒーカップの暗く閉ざされた空間のほうが居心地が良かったのかもしれないが、
結果として寿命を縮めることになった。




画像





死んだカタツムリを片づけながら、ふと昔読んだSF小説を思い出した。
確かパトリシア・ハイスミスの作品だったかな?
気になって本を探す。見つかるまで朝の家事はおあずけ。
やれやれ、どうにか本は見つかったけれど、この本の中の話だったかどうかは自信がない。
巨大化したカタツムリが人間の住む街を襲うという、一見ファンタジックだけれど、妙に不安を煽る物語だ。
かたつむりが移動した後の街には、銀色に光る粘液がいたるところに残されている。
いや、粘液にまみれた街が銀色に輝いていると言ったほうが正しい。
そしてその殻ときたら、家一軒より大きいのだ。動きこそ鈍いが、のしかかられたらひとたまりもない。
おまけに、どんなものをも咀嚼するその歯は強靭で鋭い。
そんなカタツムリに集団で襲われたとすれば相当恐い。
恐るべし!巨大カタツムリ!!



しかし我が家のキッチンを一晩徘徊したカタツムリは、銀色の粘液も残さないまま、枯葉のように乾いていた。
不運なカタツムリである。
これが夏場であったなら、私はためらうことなく、庭に放したことだろう。
しかしながら季節はすでに晩秋。例年になく暖かいとは言え、夜半を過ぎれば氷点下。
いずれにしても永らえることはできなかったと思えば、哀れであった。

ここでカタツムリの物語を思い出したことも何かの縁かもしれない。
「虎は死してその皮を残す」と言うが、このカタツムリはまだ残すほど立派な殻もなかった。
カタツムリよ、静かに眠れ。






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コメント(12件)

内 容 ニックネーム/日時
こんにちは。
なんだかとてもカタツムリ君が可哀想になってしまいました。私ならきっと外の何処かに出していたような気がします。一晩でそんな風になってしまうものなのですねぇ、ちょっと吃驚してしまいました。仕方のないことですが、胸に来ました。
HT
2015/11/20 17:19
◇HTさん

おはようございます。
コメントありがとうございました。
買ってきたお野菜に虫がついていることが時々ありますね。小さな青虫とかナメクジとか・・・ カタツムリは、あの先端が膨らんだ触覚のようなものを伸ばしたりひっこめたりするところなど、なかなか可愛らしいと思います。でも拡大したカタツムリの歯(正しくは歯舌と言うようですが)を見たらちょっと恐くなりました。カタツムリには今のままの大きさでいてほしいです^^;
ボールに蓋をしておかなかったのだから、逃げ出しても当然でしたが、あんなところで死んでいるとは思いもせず、かわいそうなことをしてしまいました。
aosta
2015/11/21 06:51
わたしもつい3日まえに ブロッコリーを チンして
房を小分けしていたら ひえ〜 けっこうおおきな青虫が
ゆだっていました、、
ちゃんと おなじような 緑色にですよ〜
いっしゅん ブロッコリーをたべてるんだから
マヨネーズ付けて 食べれるかも、、なあんて 思いましたよ〜
そして 自分ながらに ぞお〜としたことでした〜 あはは、、(^^);
カタナンケ
2015/11/21 17:00
カタナンケさん

ブロッコリーに青虫!私も経験あります。
きっと葉緑素たっぷりの青虫くん、「マヨネーズ付けて食べられるかも」、に思わず笑ってしまいました。わさすがカタナンケさん!
私も先日小松菜をお味噌汁に入れたら、しばらくして何やら怪しげな物体が浮かんできてびっくり。ナメクジでした。お玉ですくい上げてみたらそれもかなりの大物!
青虫ならいざ知らず、ナメクジはちょっと・・・・お味噌汁、どうしようかと一瞬ためらいましたが、きっと熱湯消毒済みだから大丈夫。そのまま頂きました^^;

カタナンケさん、昆虫食は人類を救う、という話を御存じかしら。地球上でこのまま人口が増え続けたら、近い将来、食糧不足が深刻な問題になる。そこで登場するのが「昆虫」(添付URLをご覧ください)
信州では昔からイナゴや蜂の子を食べる習慣があります。私も小さい頃は祖父母の家で食べさせられましたっけ。最近では拒絶反応をする人のほうが多いみたいですが、高タンパクでビタミン類もたっぷりの昆虫食は理にかなっているのだそうです。
さて、青虫にマヨネーズ、試してみますか?
aosta
URL
2015/11/22 10:21
小松菜に ナメクジ入のお味噌汁ですか、、

う〜ん わたしも も一度煮立たせてから
まっ いいかと いただきますでしょう〜

イナゴと蜂の子は わたしは あかん、、です、、
野草をたべるほうが よろし〜
カタナンケ
2015/11/22 22:52
◇カタナンケさん

再コメントありがとうございます。
>まっ いいかと いただきますでしょう〜
ええ〜っ!って引かれたらどうしようかと思っていましたが、まずは良かった。
それよりイナゴに蜂の子ですよね^^;
こちらは・・・・やっぱり、引きます、よね。私も子供だったから食べたんでしょうけど、今目の前に出されたら、かなり躊躇すると思います。お味はともかく、形、そのまんまですから^^; 昆虫食を考えている人たちも、乾燥させて粉末状にしたり、別の形状にして抵抗感がないものを開発しているようです。
aosta
2015/11/23 09:14
カタツムリのお話しといい、お味噌汁にナメクジのお話しといい、aostaさん、そしてカタナンケさんは大らかでいらっしゃいますね。私は足がない系が全く駄目で(ゴキブリは任せてください!)カタツムリもきっと外の葉っぱのあたりに出してしまっていると思います! 子どもの頃は手のひらに乗せたりして遊んだのですが、、。ナメクジはどうにも、こうにも駄目です。
でも虫がついているというのは安全なお野菜の証拠ですものね。私の場合、葉などについた青虫くんにはだいぶ慣れてきましたよ。以前は大騒ぎ!
keikoさん
2015/11/23 16:42
◇keikoさん

>ゴキブリは任せてください!

凄い!Keikoさん、ゴキブリ大丈夫なんですね\(◎o◎)/!
私は東京に出るまでゴキブリを見たことがなくて(多分ゴキブリくんも信州の寒さが苦手なのでしょう)、初めてぴかぴかと黒光りする虫を見たとき、ゲンゴロウの親戚かなんかだとばかり思っていたくらいです。それと知らないうちは、やけにすばしっこいな、くらいにしか思っていなかったのですが、噂のゴキブリ君と知ったとたん、恐怖の対象となってしまったというのは、我ながら不思議です。
ゴキブリ以上に苦手なのはカマドウマ。あの形がだめ。
おまけに跳ねるのが恐い!バッタが跳ねても平気なのにカマドウマが跳ねるところをみるとぞっとします。
でもナメクジもあまり好きではありません(笑)
aosta
2015/11/23 21:01
aostaさん、おはようございます。

巨大化したカタツムリのお話ですか〜
どんな虫でも大きくなりすぎると、怖くなっちゃいますね。
アリだって、家一軒より大きかったら…ティラノサウルスに
追いかけられるぐらい(追いかけれたことないけど)怖いと思います
カタツムリの11のお話、面白そうです。
…読んだら、巨大カタツムリの夢を見そう!?
ANNA
2015/11/24 06:41
◇ANNAさん

おはようございます。
巨大カタツムリの話に反応して下さり、嬉しいです(^^♪
あのあと「11の物語」を再読したのですが、確かにカタツムリの話は載っていましたが、残念ながら私の記憶の中にある巨大カタツムリのお話ではありませんでした。でもこれも面白い作品集です。
ご興味があるようでしたらお読みください。
私が読んだ物語は、朝日に照らされて粘液にまみれて銀色に輝く街を、ぼおっと透けるような薔薇色の殻をしょったカタツムリがゆっくり移動していくという幻想的なものでした。恐いのに美しい夢のような不思議な物語。誰の何という短編だったのか、私もとても気になっています。これだ!というものを再発見したらまた何か書こうかしら(笑)?
aosta
2015/11/24 09:03
子供の頃はカタツムリを飼って遊んでいました。餌によって出てくるウンチの色が違って面白い〜って研究?していたんです。 だけどある時からナメクジと親戚?って思うようになってからは掌に乗せられなくなりました。 殻があるだけでかわいいと思っていたカタツムリ。 今は海の中のカタツムリの仲間のウミウシが大好きになりました。
mint
2015/11/25 17:07
◇mintさん

お返事が遅くなってしまい申し訳ございませんでした。
mintさんはカタツムリを飼っていらしたことあるんですね。食べるものでウンチの色が変わる(笑)!本当にその通りですね。昔子供が赤ちゃんだったころ、お睦を開けてみたら緑色のウンチでびっくり仰天したことがありましたっけ。一瞬、何かの病気かしら、と心臓がドキリとしましたが、ほうれん草のペーストを離乳食で食べさせたことを思い出しました。喜んでほうれん草を食べるので、私も嬉しくてせっせとスプーンで口に入れてあげたのでした(;^ω^)

カタツムリとナメクジ、本当に殻があるなしでずいぶんイメージが違いますね。ウミウシって色が鮮やかなあの子?やっぱり角がありますね。
カタツムリの仲間だったとは知りませんでした(◎_◎;) さすがmintさん、海の生き物にお詳しいですね!
aosta
2015/12/01 09:07

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