消えがてのうた part 2

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zoom RSS 春は柳

<<   作成日時 : 2012/04/23 21:54   >>

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年若い友達が入院したと聞いて、取るものもとりあえず松本の病院に向かった。

折しも、春の嵐。
激しく雨が打ち付けるかと思えば、束の間、雲間に虹が立つ。
刻々と変わる空模様と友人の容体を懸念しながら車を走らせるうち、お城近くで、しばしの信号待ち。
気がつけばいつの間にやら風もおさまり、窓外には朧に霞む桜。
そしてふと眼を挙げれば、芽吹いたばかりの柳の緑色・・・・

「柳の糸」とは、細くしなやかな柳の枝を糸に例えて言われる言葉であるけれど、
芽吹いたばかりの、みずみずしい緑が揺れるこの季節の柳にこそ、「糸」という表現がふさわしい。
若葉の柔らかな緑に色どられ、優美に曲線を描く枝は、わずかな風にも儚げにそよぐ。




画像




       我(わ)がかざす 柳の糸を吹き乱る 風にか妹(いも)が 梅の散るらむ                          
                                    詠み人知らず ( 万葉集第十巻 春の雑歌 ) 



          私がかざしている柳の細い枝を風が揺らしていく。
          その同じ風が、私の大切な人の梅の花を散らしているのだろうか。






信州では今が、春を待ちかねた花や樹の、時至れりと、一斉に花開く季節。
桜や梅の薄紅色の花霞。さくら色の花吹雪。
いましも飛び立とうとする白い小鳥たちのような花を、高く掲げているのは辛夷(こぶし)。
そして、一つとして同じ色はない様々な緑。
まるで何かの約束のように開く花。緑のうてな。


彼女は柳の糸のように繊細で柔らかい春の若木なのだ。
しなやかなその枝は、風に乱れても、折れることはない。

春は柳。

さあ、信号は青!



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コメント(22件)

内 容 ニックネーム/日時
柳だといいですね。梅だと困りますが・・・。わざわざお二人でいらしていただいたとの事、本当にありがとうございました。
猫の事務所
2012/04/23 22:25
こちらも今日は汗ばむくらいのお天気になりました。
お若いとはいえご友人のご容態は心配ですね。
穏やかな春風がご友人を元気づけてくれますように
アルト笛
2012/04/24 00:35
Aostaさんこんにちは。

季節ですね。
風知草が芽吹き、もうすでに風を感じて葉を震わすのが見られます。
偶然で驚きましたが、本日バターワースの「柳青める堤」を聴きつつ過去記事を見返していました。

「花紅柳緑」と昔の人は言いました。これから初夏までが草花も自然も美しいとき。
自然の息吹に助けられて、お友達もきっと回復することでしょう。
拙稿ですが、よろしければどうぞ。

「柳」にまつわるet cetera...
http://sawyer.exblog.jp/6773891/

「山田無文」老師の書「花紅柳緑」
http://sawyer.exblog.jp/2037743/
sawyer
2012/04/24 01:13
山深い清里にもようやく春がやってこようとしています。森の中が、仄かに紅を引いたような色具合に染まってきました。木々の芽は何故かみな赤く染められているんですね。足元では山野草も遅れまじと元気に芽を吹きだしました。

「白樺 青空、南風 辛夷咲くあの丘」もう少しでこの景色がみられるかな。

柳というと

やわらかに柳青める北上の
岸辺めに見ゆ
泣けとごとくに

        となるのですが。

お友達が早く退院でるといいですね。
山栗
URL
2012/04/24 08:42
柳、やっぱりいいですね〜!そしてこの信号待ちでの1枚のお写真、バックの建物にとってもよく似合っていてステキなお写真! 私も柳の木が大好きなのでここで感激できて嬉しいです。 今日の千葉は6月並みの気温になるとか! お天気なのに久しぶりに何もない休みの日、犬達と遊びお風呂に入れて今は一息ついちゃって・・^_^; この後ゆっくり掃除をしてやりかけのレイを作ったりしていようと思っています。 春の日・・・明日は友達と房総へドライブ&美味しいものを食べに行く予定です。
mint
2012/04/24 11:02
万葉集のこの すてきなうたは しりませぬが
(ぱっとうかぶ aostaさんがすごい!)
やわらかに 柳青める 北上の、、は
柳ときくと すぐうかぶ歌ですね、、

Chiko sanのところで 書いたことがありますが
日本語の うつくしいことば
aosta さんの このブログのなかに
うてな、、とありますね、、
かいな とか まなこ うなじ おとがいなど
体をあらわすのだけでも すばらしい 響きの美しい日本語が
いっぱいで 詩のようなaostaさんの文章のなかで
使って下さっていること とても嬉しいです〜
 
katananke
2012/04/24 11:26
お友達のご回復をお祈り致します。
私の故郷にはお城がありませんから、お堀の端の柳もありません。川や運河のほとりに並ぶ糸柳はあります。バルビゾン派の絵なんかに出てくる感じで、雨より曇り空が似合います。北国では6月以降の風景ですが。
かげっち
2012/04/24 12:39
aostaさんのお体のほうを案じておりましたところ、すぐさまお友達のお見舞いにいいらしたのですね。思い立つと何か動けなくなる傾向の私とは正反対。お気遣いゆえの機敏な対応。aostaさんの祈りがきっと通じて回復されるものと信じます。
柳の繊細さしなやかさももありますが、柳に風折れ無しとも。
bunbun(中ぶんな)
2012/04/24 21:53
◇猫の事務所さん

御無沙汰しておりますが、お変わりございませんか?
病院にはTULLY,Sまで入っていて、昔とすっかり変わっていて驚きました。
昔でしたら、眼をつぶっていても好きなところに行くことが出来ましたのに、迷子になりそうです(笑)。病室では笑顔で迎えていただき、ひと安心。

引用した歌は「雑歌」からのものなのですが、私には、吹き過ぎる風に想う人への想いを託した相聞歌として読めてしまいます。今、この私の手にある柳の枝を揺らす風、遠く梅を愛でている人の庭にも優しく吹き寄せて、はらはらと花びらが優しく散らす。同じ風を見たい、感じたい。風よ、私の想いを運んでおくれ・・・そんな感じに読むわけです(笑)。
柳も梅も同じ風で結ばれてゆく、そんなイメージ。
原村の風よ、松本に届け!という意味を込めてみたのですが、風は吹いたかしら?
aosta
2012/04/25 05:27
◇アルト笛さん

おはようございます。
天気予報では30度を超えた地域もあったとか。
つい先日まで、寒い寒い、と言っていたのが嘘のようですね。

「根耳に水」の話でしたので、心配でした。
最新設備が整った大学病院、行き届いた治療が期待できます(^^♪

>穏やかな春風がご友人を元気づけてくれますように

友達の病室は7階。
風を感じさせてくれる木の梢が視界にないことは残念ですが、早く散歩が出来るまで回復して欲しいと願っています。
aosta
2012/04/25 05:34
◇sawyerさん

御無沙汰したままでしたのに、丁寧なコメントを頂き、恐縮です。
ありがとうございました。

バターワースという名前は初めてです。
ブリティン作曲の「柳青める堤」も全く知りませんでした。
こちらは失恋の詩なのですね。柳がそよそよと柔らかく風にそよぐ風情はどこか女性的なものを感じます。雨の柳もなんとも言えません。

そう言えばシェイクスピアにも、哀切極まりない「柳の歌」がありますね。
作曲者はヴェルディでしたか・・
aosta
2012/04/25 05:54
◇山栗さん

>森の中が、仄かに紅を引いたような色具合に染まってきました。

エネルギーに満ちた新緑の頃も大好きですが、この時期、煙るがごとき淡い芽吹きの色を見る時の喜びは何にも変えられませんね。
仄かな紅、柔らかな銀色、瑞々しい若芽の緑には植物の精気が静かに漲っているように思います。
新聞で、長野県では鹿による食害で、カタクリが大きな被害を受けているという記事を読みましたが、そちらは大丈夫でしょうか。
山栗さんが大切にしていらっしゃる山野草がすくすくと育って、森を彩る日を楽しみにしています。

啄木の歌をありがとうございました。
遠く東北の地でも、きっと柳は優しく、青く、芽吹いていることでしょう。
aosta
2012/04/25 08:03
◇mintさん

いつでしたか、mintさんもこの季節の柳の緑が大好きだと仰っていらっしゃいましたよねヽ(^o^)丿
今回はそんなことも思い出しながら、ブログをアップしたんですよ。

お仕事に、趣味にと本当に意欲的なmintさん、これか遠出の機会も増えますね。
房総は春爛漫、春の海も楽しみですね。
aosta
2012/04/25 08:08
◇katananke さん

>ぱっとうかぶ aostaさん!

ありがといございます。
でも実際に一つの歌の始まりから終わりまで全部覚えているわけではなく(うろ覚えとも言う・笑)確か、こんな感じの歌があったはず・・・という程度です。
「柳の糸」だからきっと春の相聞か雑歌に違いない、と当りを付けて調べてます(笑)。

>日本語の うつくしいことば

katananke さんが挙げて下さった言葉の中でも「おとがい」の語が特に好きです。私は「おとがい」と聞くと(読むと)、どこか青い翳のようなものを感じるのです。発音された響きは、さらなり、です。
言葉はたったひとつなのに、そこから無限大に想像が広がるようで、力のある言葉だと思います。
春になると私はなぜか含羞という言葉を思い出します。
aosta
2012/04/26 05:16
◇かげっちさん

おはようございます。

車を止まった信号はまさに松本城のお堀近く。写真の建物は宝物殿だと思われます。松本城は、幼稚園の時遠足で訪ねて以来、折りに触れ足を運んだ場所です。実家のあります諏訪には高島城。こちらは今がちょうど桜の見ごろです。
下界でやっと咲き始めた桜を、夜来の雨が散らしていきます。

バルビゾン派ときいて思い出したのはコローです。
川辺に繁る草や空高く伸びる木々の梢、確かに空は曇り空ですね。
昔はあまり興味のなかったコローですが、年とともに彼の絵にある空気感が好きになりました。クールベもバルビゾン派に縁のある画家だったかと思いますが、彼の描く緑は、私には濃くて暑苦しく思えます。樹や木立ならコロー(笑)。
柳と言えば、ウィリアム・モリスにも柳の葉をモチーフにした美しいデザイン・パターンがありました。
aosta
2012/04/26 08:00
◇bunbunさん

おはようございます。
そちらは今が桜の満開、と聞きましたが、もう堪能なさったでしょうか?

>柳に風折れ無しとも

ありましたね!
そう言えば最近あまり聞きません。柳そのものを目にする機会が少なくなったからでしょうか。私が小さいころは、諏訪湖の水辺に何本も柳の老木が緑の枝を揺らしていました。新芽の若緑が、やがてすんなりとした形の銀灰色の葉になって、水辺の光景を趣のあるものにしていました。
今は柳に代わって花梨画植えられています。
花梨の花の実も可愛らしいけれど、柳のような風情はありません。
aosta
2012/04/26 08:01
柳模様willow patternは世界的な文様という事を知りかけました。
以下の著述読んでみようかと思います。
「柳模様の世界史―大英帝国と中国の幻影」
http://100satsu.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/post-2f2e.html
sawyer
2012/04/26 09:03
わたしはお皿の絵付けをしておりますが
ウィリアム モリスの紋様がとりわけ 好きです〜
絵付けを習いだした最初の頃に まず 描きました、、
初期の頃の作だから あまりうまくないけど
今度アップしますので そのときは 見に来て下さいね、、
含羞、、むずかしい漢字ですが
はじかむ、、ということばも やさしいですね〜
カタナンケ
2012/04/26 17:53
◇sawyerさん
 再コメント、ありがとうございました。

>柳模様willow patternは世界的な文様という事を知りかけました。

思うに、しなやかな柳の枝は家庭雑器の材としてもさまざまな用途があったのではないかと推察します。洋の東西を問わず、身近な暮らしの中にあった柳が、文様としても愛された事は自然かな、と思いました。
柳宋悦とモリスって、何か関係があったような気もします。
ご紹介のありました「柳模様の世界史―大英帝国と中国の幻影」面白そうですが、日本との関係についての言及もあるのでしょうか。
読みたい本のリストに加えておきますね♪
aosta
2012/04/26 21:16
◇カタナンケさん

そうでした!
カタナンケさん、陶器の絵付けをなさっていたんでしたね。
モリスのパターンが描かれたお皿、素敵でしょうね。
実は、家で使っているマグカップも、モリスのウィロー・パターンなんですよ♪
以前ユィリアム・モリス展に出かけた際購入したもので、毎朝のコーヒーはこのマグカップから始まります。
カタナンケさんが描かれたモリスのデザイン、見せていただく事を楽しみにしていますね。

含羞、確かに難しい時ですね。
最近の若い人には読めないかもしれません(汗)。
aosta
2012/04/26 21:23
こんばんは!
開花宣言はありましたものの、私の周りの誰も彼もがいったいどこの?といった表情です。石割桜は4分咲きと聞きましたが。このあたりはまだ咲いていませんと見えます。今夜は雨が風の“応援団”付きで降っています。いったいどうやって開花すりゃいいの?そんな桜のぼやきや、負けないぞ、ここは被災地だこんな程度で負けていられるか、等々、不屈など根性も見え隠れしています。匙は投げない、投げたくない。雨や嵐も応援歌、そんな思いでここに呟かせていただいております。
bunbun(中ぶんな)
2012/04/26 22:08
◇bunbunさん

そちらの桜もまだでしたか。
茅野市街では、先日続いた温かさで一斉に桜が開きました。
まだ満開まではいかないようですが、昨日今日と雨。
雨に濡れた桜も美しいですけれど、あまり雨風が激しいと折角の花も散ってしまいますね。
震災後初めての春に見る桜は、またひとしおの想いがあります。
石割桜、頑張ってほしいです。

我が家の庭に桜が咲くまでには、まだしばらく時間がかかりそうです
aosta
2012/04/27 05:50

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