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世界の果ての時

「世界の果ての時」 時を測る 落下する砂粒で それとも 古びた時計が 密やかに刻む音で 測られた時たちどこへ行くのだろう 水のようにとめどなく 水のように流れて                   ポール・デルヴォー(Paul Delvaux 1897年 - 1994年)「街灯のある風景」 世界…
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「汽車に乗って」 丸山薫

   汽車に乗って あいるらんどのやうな田舎へ行かう     ひとびとが祭の日傘をくるくるまはし    日が照りながら雨のふる     あいるらんどのやうな田舎へ行かう    窓に映った自分の顔を道づれにして     湖水をわたり 隧道(トンネル)をくぐり    珍しい顔の少女(おと…
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「柳の歌」

春の訪れとともに、待ち遠しいのは桜。 そして柳の芽吹き。 朧に霞む桜の花に、柳若葉の明るく柔らかい緑が優しく映える。 風と戯れるしなやかな枝先も、ほっそりと流線型をした葉も春に似つかわしい。 柳の芽吹きを待つ私の胸は、いつもときめく。 ひと昔前の諏訪湖畔では、一抱えもあるような柳の古木が一斉に芽吹いて春を告…
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秋のリボン

    秋の庭で 子供がひとり     後ろ向きに しゃがんでいる     庭石に 影法師が黒く落ちて     ナツメは静かに熟れてゆく     土の上に 金木犀が散る     小さな星のように     静かな雨のように        いいえ あれは金木犀ではありません        子供…
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「花を持って、会いにゆく」 長田 弘

      春の日、あなたに会いにゆく。       あなたは、なくなった人である。       どこにもいない人である。       どこにもいない人に会いにゆく。       きれいな水と、       きれいな花を、手に持って。       どこにもいない?       違うと、なくなった人は…
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すみれの花咲くころ

5月になって、庭のあちらこちらでスミレの花が咲き始めました。 自生のスミレもあれば、こぼれ種で増えたヴィオラもありますが、緑の下草一面、こぼれた星のように、小さなスミレの花が咲いている風景を見ていると、気持ちまで優しくなるようです。 ニオイオオタチツボスミレ "Viola kusano…
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森の声

霧に濡れた雑木林の奥でフクロウが鳴いた。 「相手をうまく否定しおおせたからと言って、自分が正しいことにはならないね。」 「自分の抱いている怒りは、相手の問題ではなく、自分の問題。」 とりあえずって便利な言葉だけれど、時々この言葉で失敗をする。 考えてみれば、と…
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電話 そして 糸電話

   その1 「電話」      むかし 子供は      おもちゃの電話を持っていた     回すたびにダイヤルは 小さな音をたてるけれど     呼び出しのベルは 鳴ったことがない          けれど じっと受話器を握っていると     子供の小さな耳は      遠い見知らぬ場所で   …
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" There " アーシュラ・ル・グィン

詩人長田弘の「本というふしぎ」の中で出会ったアーシュラ・ル・グィンの詩。 本文に訳者の名前は見当たらないところからすると、長田氏自ら訳されものかしら。 「闇の左手」でヒューゴー賞とネビュラ賞をダブル受賞し、「ゲド戦記」で知られる「SF界の女王」ル・グィン。 彼女のこの小さな詩を読んでいると、なぜかとても懐かしい想い…
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さくら

                      桜は ほころび始めたばかり                       風さえ惑わす その可憐                       透明なその豪奢                       花曇りの空に 開いてゆくのは       …
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          ひかりが 咲く           ひかりに 咲く            雪の記憶が まだ消え残っているのに            春のひかりは 柔らかに満ちて            季節の扉を開いてゆく …
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くるくる

     くるくるうずまき      くるくるまわる      くるくる くるくる      ちきゅうも まわる      くるくる くるくる      めがまわる      くるくるくるくる たどっていけば       たどりつくのは きのうのあした 画像はこちらから →…
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夜明けの鳥

                      森も庭も 目覚める前                       空気は青く 風もまだ眠る時間                       静寂の 向こう側から                       夜明けの鳥たちが              …
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ロセッティに寄せて

                              大切なものを受け止めたくて                               手のひらを広げる                               それが何かは 分からない                         …
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「あけがたにくる人よ」 永瀬清子

           あけがたにくる人よ                 あけがたにくる人よ               てってっぽっぽうの声がする方から               私の所へしずかにしずかにくる人よ               一生の山坂は蒼くたとえようもなくきびしく        …
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水仙

           雑木林から草むらへと続く 鹿道のはずれで             今年もひと群れの水仙が 花をつけた            年ごとに 少しづつ大きくなってゆくその一群は            自らが水仙であることを知らず 知ろうともせず        …
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ランゲルハンス島へ

     ごらん 風が透き通ってきた      そろそろ鳥も目覚める時間だ      もうじき夜が明ける      出発するには上等な朝じゃないか      さあ 帆を上げよう      これからしばらく 陸地を見ることはない      街も緑も しばしの見納め      焼きた…
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Ondine オンディーヌ

     月の光が 銀色の糸のように降る森で      眠りながら 目覚めている      小さな獣たち      そして 私      夜空を泳ぐように 発光する 星ぼし      ひたひたと 凍りつく      記憶のかけらは       月の引力にひきずられ…
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私説 いばら姫

腰丈まで伸びた草を かき分けながら そんな急ぎ足で あなたは        どこまで行こうというの ほら 頭上からは 棘だらけの野いばらが ゆるゆると 細い枝をなびかせ しなやかに揺れるふりして あなたのばら色の頬を 打ってゆく その白き腕(かいな)は 鋭い茅(かや)の葉さきで  すでに傷だらけ…
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さやさや さやぐ

さやさやと 凍てつく窓辺で 声がする あれは 風がささやき交わす音 梢を揺らし 枯れ葉を騒がせ 形にならなかったものたちが 夜の水の中へと 落ちてゆく エドワード・ロバート・ヒューズ(1851~1914) 「夜」 水は 鎮まろうとするのだけれど 夜…
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霜月

                                               ささやくように 霜が降ったのは                        庭がまだひっそりと 眠っていた時間                        クリスマス・ローズの葉を      …
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落下する風景

         踏みしだかれるたびに          小さな声を上げる 色とりどりの葉を          見て見ぬふりをして          石英のように 乾いた音を立てながら          枯れ草を踏んで行く            光差…
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さかなのかたち

                       夜明けが近づくにつれて                        回遊する魚のように 戻ってくるものがある                        浅く呼吸する 遠い夢の中から                        銀色の鱗を光らせ やって…
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コスモス・嵐のあと

         嵐が過ぎて行った 静寂の庭で          コスモスが咲いている。          何度も風に倒れては              そのたび 煽られながら風に向かう。                あなたもまた     …
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ひめしおん はるしおん (大島弓子風に)

ひめしおん はるしおん 黄昏れてゆく空に 風が立ち ひめしおん はるしおん 灯ともし頃の夕まぐれ 標(しるべ)のように揺れている どこかで 扉が閉まる・・・ 遠くで どこかで 窓が開く・・・ 近くで ひめしおん あくびをする はるしおん 目配せする ひめしおん は…
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風の庭 (アンディ&ウィリアムス ボタニック・ガーデン 2)

ひっそりとした木陰の道を抜けると、そこには風と水の気配が満ちていた。 自然のままに植栽されたウッドランドは、色とりどりの花が咲き匂うガーデンを過ぎた一角にあった。 水際(みぎわ)で揺れていたのは風草。 「風草」とは誰が名付けたのか、どんなにかすかな風の気配にも、さらさらと優しげにそよ…
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みつばのおひたし あるいは「骨」

雨上がりの朝、足元の下草がまだしとどに濡れている庭でみつばを摘んだ。 雨で重くなった名残りの桜が、風もないのに花びらを散らしている。 洗いおけに張った水にみつばを放すと、淡い薄紅色の花びらが何枚もたゆたうように浮かんできた。 鮮やかな緑と花びらの薄紅は、そのまま、逝く春の色だ。 …
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すみれ

すみれ、すみれ。 汝(な)が名を知らず。 されどすみれ たそがれゆく 夕明かりの中 かすかなる風に 揺れる その小さき花の いかにか愛しき。 すみれよ、すみれ。 汝(な)が名を知らず。 されどすみれ その花の色 薄ら陽の中 清らにかそけく 光りぬ 汝(…
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祈りのかたち

朝晩はまだ氷点下10度前後まで気温が下がるとは言え、 いつの間にか月は改まって4月。 既に季節は「光の春」だ。 日中の透明な春の日差しが、雪解けの黒土をうらうらと温めて行く。 気がつけば、背比べでもしているつもりなのか、霜柱と競うかのように、 土の中から小さなチューリップの芽がのぞいてい…
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松かさを燃やす

松かさを燃やす。 炎は松かさの形をなぞりながら 極北の光のように揺らめいている。 庭で ひそやかな獣の気配がする。 清らかなその足取りは、月灯りの庭で蒼く翳る。 ゆるゆると過ぎてゆく時の中で 獣も私も 護られてある。 …
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