アルバ・マキシマ





どの花も当たり前のように、毎年同じ花を咲かせます。
そのことを、文字通り、当たり前と思うか、不思議と思うか・・・

私は「当たり前」であることの不思議さをいつも考えてしまいます。
当たり前は、ちっとも当たり前ではありません。
「当たり前」は秘密と謎に満ちています。
「God is in the detail」(神は細部に宿る)
と言ったミース・ファン・デル・ローエの言葉をしみじみと感じる時でもあります。




今年もアルバ・マキシマが咲き始めました。
アルバ・マキシマの「アルバ」とは「白」という意味するラテン語。
マキシマはマックス、つまり「最高の」とか「究極の」という意味になります。
単純に考えれば「最高の白薔薇」という意味になるのでしょうが、どっこい、単純な白ではありません。
思いのほか小さいつぼみには、ほんのりと淡いピンク色が滲んでいます。
初めて見たときは、違う薔薇かと思ったほどでした。
蕾は少しづつふくらんで、やがて時が満ちると、ゆるゆるとほどけるような花を咲かせます。
それは、大切に守られてきた秘密が打ち明けられる時でもあります。
そして薄くピンク色に翳る花は、咲き進むにつれて純白へと変わってゆきます。
アルバ・マキシマと名付けられた所以はこんなところにあるのかもしれません。

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この薔薇が一番美しく見えるのは、日が昇り始める前の蒼い時間。
そして日没とともに庭が暮れなずむころ。
薄闇の中で、ふわりふわりと浮かぶ白い花はまるで夢のように咲きこぼれています。
冷たく透き通った山の空気は、薔薇の香りで満ちています。
この短い一瞬こそ、薔薇たちを最高に美しく見せる瞬間なのです。

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オールドローズなればこその華奢な花首、優しくたおやかな風情。
銀色がかった緑色の葉が、さらにこの花の美しさを引き立てます。







ロサ・グラウカが咲けば、ロサ・グラウカが一番美しいと思い、アルバ・マキシマが咲けば、いやいや、やっぱりこの花が最高と思う、節操のないロザリアンの私、ロサ・グラウカのシンプルで気品のある美しさを至上のものと思う気持ちは変わりませんが、残念なことにグラウカにほとんど香りがありません。
アルバ・マキシマの馥郁とした香りに包まれる幸せは今この季節だけ。
そう思えば、この薔薇への偏愛もむべなるかな。




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今から4年ほど前になるでしょうか。
かつての村田ばら園(現・姫野ばら園)で、最後に買ったのがこのアルバ・マキシマでした。
「寒さに強い薔薇ですから、1200mという標高でも順応すると思いますよ。」
そうおっしゃられた村田さんの言葉を信じて購入したときは、まだほんのちびっ子だったのに、3年目を迎える頃から勢いがつき、あれよあれよと言う間に伸長した結果、今では見上げるほどの高さになりました。
村田さんも、もしかしたらこの薔薇がこんなに大きく育つなんて考えていらっしゃらなかったかもしれませんね。

今年の花は、例年になくピンクが強く出ています。
去年、繁りすぎた枝を思いきってばっさりと落としたことが影響しているのかしら。
それとも、気温の関係?
ほらね、同じ花だけど、同じ花ではないのです(笑)





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アルバ・マキシマ 関連ブログ

       薔薇迷宮/アルバ・マキシマ →   http://folli-2.at.webry.info/201406/article_7.html

         Alba Maxima 究極の白    →   http://folli-2.at.webry.info/201106/article_11.html











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