リコーダーのための「フーガの技法」 CD付楽譜出版




J.S.バッハの最晩年の大作「フーガの技法」は、バッハの死によって未完のままに終わった曲集です。

厳格で緻密な対位法によって構築されたこの曲集はバッハの遺作であり、音楽史上特別な意味を持っています。
ポリフォニー(多声音楽)の技法である対位法は、同時に奏でられる複数の旋律が、それぞれの独立性を失うことなく共存する、いうなれば複音楽的な組合せによる音楽の形式のことであり、
フーガとは、こうした対位法に基づいて、複数の声部の間で主題を様々なバリエーションによって模倣し、展開(応答)していく、ある意味では、数学的緊張感を伴った手法とされています。

一般的には鍵盤楽器で演奏されることが多い曲集ですが、バッハ自身は明確な楽器の指定をしていないのです。
少なくとも12曲目まではチェンバロ独奏を想定して作曲されたという研究結果もあるようですが、
現在では、チェンバロのほかピアノやパイプオルガンといった鍵盤楽器での演奏は勿論のこと、弦楽四重奏や木管楽器、オーケストラによる演奏も珍しくありません。




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今回、リコーダーJPから出版された楽譜は14曲のなかの第6番
ご案内がすっかり遅くなりましたが、実は昨年12月に出版されました。
そして当然ではありますが、リコーダ・アンサンブルのためのアレンジです。
この曲には「フランス様式 縮小形を持つストレッタ・フーガ」というサブタイトルがついているのですが、
ストレッタとは、複数の主題が重なるように呈示されること。
まず最初に提示されるひとつの主題が終了しないうちに、他の声部がその主題を引き継いでいきます。
バッハの時代、付点付リズムをフランス風と言い慣わしていたことから、付点のリズムが多用されいるこの6番も
「フランス様式」というタイトルがつけられました。


P氏によるCD演奏は、荒涼とした風景を吹く風を思わせます。
何か切迫した曲調は、死期を間近にしたバッハの心情を反映しているかのようです。
「数学的思考」を大の苦手とする私、厳格な対位法に基づく「フーガの技法」を論理的に楽しむ術を持ち合わせないことをなんとも情けなく思う反面、どのような手法によるものであれ、それが「音楽」であるかぎり、直接魂の奥底に響いてくるものだと感じていることも事実です。



S・A・T・GB(B)の4本のリコーダーのための今回の楽譜が多くの方たちによって演奏されること、
またP氏演奏のCDがその一助となることを願って止みません。

          ★CD付楽譜のお求め、試聴は→ http://www.recorder.jp/piece/3/3034.htm




武藤哲也リコーダー&オカリナ教室はこちら → http://folli-2.at.webry.info/201503/article_4.html 








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