ポンポン・ドゥ・ブルゴーニュ




思い込みとは恐ろしいもの。
いつからかこの薔薇の名前をボンボン・ドゥ・ブルゴーニュと記憶しておりました。

正しくはBonbonではなく、Pompon de Bourgogne(ポンポン・ドゥ・ブルゴーニュ)。
勝手にボンボンだと信じていたのはなぜかしら。
確か去年もこの薔薇について書いたはず・・・・と思って確かめてみたところ
              ↓
http://folli-2.at.webry.info/201406/article_8.html

あら、ちゃんと、ポンポン・ドゥ・ブルゴーニュって書いてある!
わずか1年でポンポンがボンボンと記憶されてしまった、ということは、もしかして・・・・・・
いえいえ、まだそんなことはない(と、強く否定・笑)。
単なる勘違いということにしておきましょう。


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Pompon de Bourgogne ポンポン・ドゥ・ブルゴーニュ


花径わずか3㎝ほどの小さな花ながら、ちゃんとダマスクの甘い香りがするこの薔薇は、1664年ころ作出されたというケンティフォーリア系の薔薇です。ケンティフォーリアとは『非常に多くの花びら』という意味だそうですが、このポンポン・ドゥ・ブルゴーニュも数えきれないほどの花弁が重なっています。





16世紀頃からオランダで改良され18世紀初めに完成されたと言われるケンティフォーリア系の薔薇は、その豪華な花容ゆえに絵画にも好んで描かれました。
有名なものでは世界史の教科書でもおなじみのこの絵。
まさにケンティフォーリアが誕生した時代、18世紀の作品です。


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「マリー・アントワネット」Marie Antoinette (1783年)
ヴィジェ・ルブラン (Marie Élisabeth-Louise Vigée Le Brun, 1755- 1842)



アントワネットが手にしているのはケンティフォーリア系の薔薇。
ポンポン・ドゥ・ブルゴーニュでこそありませんが、花びらの重ねの多さといい、可愛らしいカップ咲きといい、ケンティフォーリア系の特徴が忠実にかつ丁寧に、描かれています。
フランス革命でマリー・アントワネットが処刑されたのはこの肖像画が描かれてからわずか10年の後、1793年
のことでした
激動のヨーロッパで愛された、美しくも気品あふれ薔薇たちは、ブルボン王朝に続いたナポレオンの時代、彼の妻であった皇后ジョセフィーヌによって収集され保護されて、現在に至っています。
19世紀に誕生して以来、薔薇の主流となったハイブリット・ティーローズ(モダン・ローズ)に対し、オールドローズと呼ばれる薔薇たちです。

我が家の庭で咲くのは大半がこのオールドローズ。もしくはスピーシーズ(原種)の薔薇。
品種改良を重ねたHT(ハイブリット・ティーローズ)に比べ、病害虫に強く、耐寒性にも優れているこれらの薔薇は、標高1200mの八ヶ岳山麓で、厳冬期の寒さにも負けず毎年美しい花を咲かせ、私たちを楽しませてくれます。






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ロサ・グラウカ Rosa glauca (ロサ・ルブリフォリアRosa rubrifolia)




こちらは先日アップしたロサグラウカ
ケンティフォーリア系とは対照的なこの薔薇は、華やかさこそありませんが、潔いまでの原種の美しさがあります。
花はすぐ散ってしまいますが、他の薔薇に先駆けてもう立派なローズヒップをつけました。
この実の色も独特。熟しても赤くなりません。
シックな茶色の実と紫がかったマットな葉色は、花の時期を過ぎたあとも際立った存在感があります。







そしてこちら、薔薇の足元を飾る青い花たち。

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ベロニカ「クレーター・レイク・ブルー」 Veronica'Crater Lake Blue' は澄み切った青の中の青。
この子もリシマキア(トラノオ)の仲間です。我が家の庭は、リシマキアと相性が良いみたい。





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ゲラニウム「ジョンソンズブルー 」 Geranium 'Jonson's Blue' は大株です。満開時にはそれは見応えがあるのですが、なぜか去年は一輪も花を咲かせませんでした。今年咲いた花も数輪。
はて、何が原因なのか・・・   葉の勢いは良いので、株が弱ったというわけではないと思われます。
もともと手間いらずの丈夫な宿根草なので、ちょっと気になるところです。






最後はアリウム・モーリー。
和名は黄花行者ニンニク、英名ゴールデン・ガーリックと言うようですが、アリウム・モーリーという名前が一番似可愛らしい。
鮮やかな黄色の花を咲かせるこの子、なかなか増えてくれません。
球根を足そうかと、通信販売で探すのですが、タイミングが悪く、いつも完売。
気長に少しづつ大株になるのを待ちましょうか。


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アリウム・モーリ Allium moly  英名 Golden garlic








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この記事へのコメント

HT
2015年06月16日 10:12
おはようございます。
私はお花の事やお花の名前ってほとんど知らないです。バラには色々な歴史があるのだろうという事はわかりますが、勉強したことも無いですから、こんかい説明を読ませていただいてへぇ~って云う感じでした。沢山のお花が咲きだしていますね。お庭に出られるのが楽しみになりますよね。ベロニカ・クレーターブルーと云うお花綺麗ですねぇ。こんな色と感じがとても好きです。
ANNA
2015年06月16日 16:29
aostaさん、こんにちは。

私も薔薇が大好きなので、aostaさんのお庭の薔薇を拝見するのを楽しみにしてます。

ポンポン・ドゥ・ブルゴーニュ、可憐な薔薇ですね。
マリー・アントワネットの肖像画に描かれている薔薇が、ケンティフォーリアという系統の
ものだということも初めて知りました。
名前の由来や歴史など薔薇にちなんだお話を伺っていると、薔薇を通して世界が広がっていくようです。それもまた楽しみのひとつですね。aostaさん、ありがとうございます。
2015年06月16日 22:05
◇HTさん

コメントありがとうございます。
ここ1・2週間で一気にいろいろな薔薇が咲き始めました。毎朝庭を一回りして、悪い虫がついていないかチェックしています。せっかく花が咲いたのに、虫に食べられてしまったらかわいそうですから(笑) 私は薬が好きではないので、よっぽどひどい状態にならない限り薔薇もほとんど無農薬で育てています。でも良くしたもので、注意さえしていれば、虫の害はかなり防げます。コーヒー片手の朝のパトロールです(笑)

ベロニカの青は本当に深くてきれいですね。
画像ではあまりわからないかもしれませんが、葉っぱは柔らかい緑色で、花の色との対比もお洒落です。私もこの花が大好きです(*^^)v

2015年06月16日 22:14
◇ANNAさん

こんばんは。またお話ができてうれしいです♪
我が家のポンポン・ドゥ・ブルゴーニュは今年で3年目。まだ30センチほどの高さです。もともとミニサイズなので大きくなっても1mになるかならないかという薔薇ですが、小さいながらたくさんの花をつけます。先はじめは赤が勝った紫ですが、先進むにつれて赤が抜けて、雰囲気のある紫色に変わっていきます。
植物と人間の関わりは長く、また深いものですが、薔薇ほど多くの人を魅了し、影響を与えた花はないかもしれませんね。薔薇の歴史はひとつの文化だと言っても過言ではないように思います。
YANAGAWA
2015年06月19日 09:01
私も桂子さんに遅い触発され、庭に路地じゃなくすべて鉢に多種の花を飾ってます。
近くの全国規模のサカタのタネ屋があるのですが高くて、180年の歴史の京都のタキイ種苗からカタログ取り寄せて、見るだけでも楽しい。気がついたのですが咲き期間というのが1年で1~2ヶ月つまらないな~~と思いつつ、ジャーマンアイリスが菖蒲のような形で好きで(昔肥後系の豪華花菖蒲育ててましたが全滅)これも咲き期間が4~5月、ところが二期咲きというのみつけ秋にも咲くんですって。。早速注文。。それとパンジー昨年12月枯れる寸前で1鉢100円で購入、今も咲いてるんです半年以上凄い。
裏庭にはドクダミがびっしりと、いつも引っこ抜いてましたが良く見ると清楚で綺麗、匂いがいやだという方がいますが私は気にならない。
植木鉢に奥にドクダミ、手前に100円のパンジー4鉢ミックス植えしましたら最近流行りのガーデニング風になりました。
百合のような芳香性の毒草エンゼルトランペットもオレンジ・黄色・白が通勤途中で咲いてるから先端少し失礼して挿し木。。そんなプチ罪悪感から。。なんと近所の花屋さんに1鉢270円、挿し木で根がつくかわからないのに、プロが挿し木で大きくした株を即ゲットしてしまいました。
桂子さんに触発か、ブルー系、紫系、白系の花が好きになりました。
2015年06月19日 19:11
◇YANAGAWAさま

わざわざこちらまでお越しいただき、ありがとうございました(*^^)v
色彩感覚に優れたYANAGAWAさんのことですから、きっと素晴らしい鉢植えが並んでいるんじゃないかしら。いろいろ想像しているとワクワクしてきました。
サカタもタキイも植物の種では老舗ですね。カラフルな花のカタログは長めているだけで幸せな気持ちになります。あれも欲しい、これも欲しいと切りがありません。ほかに何が欲しいって、今取り立ててほしいものはありませんが、花だけは別。(おっと、本も別会計でした) 
豪華花菖蒲、いかにも豪勢な感じがしますね。
うちの庭にも、ジャーマンアイリスのコーナーがあるのですが、今年はなぜか、ほとんど出てきませんでした。最近庭のあちこちで土が盛り上がっており、さてはモグラの仕業かとにらんでいます。桜の下に植えてあるカサブランカも今年は一度に数が減りました。かろうじて出てきたものも、なんだかいつもの元気がありません。こちらもモグラの仕業かな"(-""-)" 去年は驚くほどたくさんの花が咲いて、カサブランカの香りでむせ返るほどでしたのに、憎っくき、モグラです。
2015年06月19日 19:18
◇YANAGAWAさま

字数制限で引っかかりましたので、ふたつに分けます(^^ゞ

パンジーは、肥料さえ欠かさなければ長い間花をつけてくれますね。
最近は様々な色や形のものが手に入りますから、パンジーだけで十分に華やかなガーデンになったのではないでしょうか。
ドクダミは匂いが嫌われますが、清楚で気品がある白い花は私も大好きです。焼き締めのうずくまりに挿すとしたら、これ以上の花はないと思います。
夕間暮れの庭でほの白く浮かび上がるドクダミの花は本当に美しいと思います。
エンゼルトランペットも大株のものは本当に見事ですね。
挿し木できるとは知りませんでしたが朝鮮朝顔の近縁種でしたっけ。朝鮮朝顔には独特の香りがありますが、エンゼルトランペットにも香りはあるのかしら。トリカブト始め、毒性のある花には、どこか妖しい魅力があるような気がします。
けっこう好きかも、です(;^ω^)
2015年07月07日 05:32
思い込みってありますよね。ポンポンという覚えやすい名前なのに、ボンボンになる…。

私にとってのポンポンは、可愛がっていた猫のあだ名。好きなブルゴーニュの赤ワイン「ポマール(Pommard)」を彼の名前にしたので、愛称はポンポンにしました。フランス人からは、Pompomなのだから「ポムポム」と発音しないといけないと言われたのですが、ポンポンの方が私には言いやすい。幸せしか感じない子で、寝そべってお腹を出して「撫ぜて、撫ぜて」とやるので、ポンポンが相応しいと思っていました。

ポンポンに「ブルゴーニュ」が付くバラの花があったとは! 私の庭には、司祭館だった時代からあったように見える、素朴で花弁が多く、たくさんピンクの花をつける素朴なバラの木があるので、これがポンポン・ドゥ・ブルゴーニュだったかと思ったのですが、香りはないので違う品種のようでした。ポンポンのお墓には赤い実がなるイチイの木を植えていたのですが、ポンポンのバラの挿し木を植えようと思ったのに…。

調べてみたら、ポンポン・ドゥ・ブルゴーニュは「Rose de Mai(5月のバラ)」とも呼ばれるバラの種類なのだそう。香料会社に勤めていたときに行った南仏の工場では、バラのエッセンスを作る「5月のバラ」の収穫時には会社の敷地中がバラの香りに包まれて素晴らしいので、その時期にまた来るようにと言われたので、気になっていたバラなのです。ダマスクの甘い香りがするバラでしたか。

なぜブルゴーニュという文字が付いているのか、私も気になったので少し調べてみました。ブルゴーニュの州都ディジョンで発見されたpompon型をしたバラだったから、という説明が出てきたのですが(発見者の名前は残っていない)、真意のほどは分かりません。
2015年07月07日 05:33
ケンティフォーリア系のバラと教えていただいたので、その後は、その形のバラを見ると匂いを嗅いでいます。先日はポンティニー修道院に行ったのですが、庭で「このバラ、きれい」という仲間がいたので近づいてみたら、まさに毛糸で作った飾りを思わせるポンポン型の小さな赤いバラ。二人で匂いを嗅いだら、とても良い香りなので喜びました。

このマリー・アントワネットの有名な肖像画にあるバラも、ケンティフォーリア系の薔薇でしたか。派手好きだったと非難が多いマリー・アントワネットですが、シュテファン・ツヴァイクが書いた伝記が好きです。結婚式でアクビをしてしまって顰蹙をかうというデビューでしたが、14歳でさせられた政略結婚なのですから仕方ないと思います。オーストリアでのびのび暮らしたらしい彼女には、ルイ14世がつくった儀式ばった宮廷生活は苦痛だったはず。出産のベッドに大勢の見物客が来るなどという儀式は、常識では考えられない気がします。彼女はヴェルサイユ宮殿の敷地に人工的な農村を作り、本当に心を許す友人しか入れなかったのでした。最近は修復が進んで、ブドウ畑まである美しい一角になったのですが、そこには肖像画にあるようなバラも植えられているでしょうね。この次に行ったときには探してみたいと思いました。
2015年07月08日 06:26
◇Otiumさn

おはようございます。
ポンポンがボンボンになってしまった理由・・・・
多分それは3年前に死んでしまった愛犬のことを、庭仕事をしながら思い出していることが多いからかもしれません。
ボンボンという名前でした。
私が草取りをしていると、すぐ後ろにはいつもボンボンがいました。
今でもこの庭に眠っています。庭に出るとボンボンのことを思います。
だからいつのまにかポンポンがボンボンになってしまったのかしら(笑)

Otiumさんがかわいがっていらした猫ちゃんはポンポンでしたか。
ボンボンにポンポン。なんだか不思議。
ポンポンもOtiumさんのお庭で眠っているんですね。

私も調べてみました(^^♪
ケンテフォリアという薔薇はもともとダマスクローズとアルバローズの交雑種だったようです。
たしかにローズ・ドゥ・メイともつながっています!

香料を作るために摘み取られる薔薇の量は半端ではないでしょうね。
香りが一番高い夜明けにみんなが総出で摘むという話を聞いたことがあります。デリケートな薔薇の花を摘む仕事は今でも手で摘んでいるのでしょうか。大変な作業だとは思いますが、機械ではあまりにもリスクが大きいし、風情も何もあったもんじゃないですね。
我が家にはローズ・ドゥ・メイはないのですが、同じ名前のカーネーションはあります。とても良い香りがします。
2015年07月08日 06:46
◇Otiumさん

ツヴァイクの「マリ・アントワネット」は読みたいと思いながらいまだに読んでいないのです。アントワネット関連の本は何冊か読みましたが、やはりツヴァイクを読まなくては! 
少女時代のびのびと育ち、儀礼的な宮廷生活になじめなかったという意味では、オーストリア・ハンガリー帝国の皇后エリザベートも同じようなところがありますね。彼女も暗殺されたのでしたっけ。
二人とも、束縛されることを嫌い、田園を愛しながら、動乱の時代を生きたという点でも似ていますが、アントワネットに似合う花はやはり薔薇、それも花弁の多い花やかな薔薇のイメージです。
それとは対照的に、エリザベートが愛した花は可憐なマーガレットだったかしら。髪にマーガレットを飾った肖像画が有名ですよね。


2015年07月12日 20:02
aostaさんのボンボンは知っておりました。片仮名で書くとポンポンと区別がつきにくいので、不思議なご縁を感じていたのです。猫は自分の好き勝手に生きる動物ですが、犬の方は人間に寄り添ってしまうので(盲導犬などは感動的!)、ボンボンが去った辛さはさぞかしだろうと思っておりました。

>香料を作るために摘み取られる薔薇の量は半端ではないでしょうね。

天然の素材から作る香料は年によって色も変わるので、私はクレーム受付け係りになっており、日本市場では合成香料で均一製品を作る日本企業に負けておりました。食べ物も同じですが、伝統的な良いものが失われていく時代。せめて、まだ生き残りがある時代に生きたのは幸運だったと思います。

>ツヴァイクの「マリ・アントワネット」は読みたいと思いながらいまだに読んでいないのです。

読書家のaostaさんなので、読んでいらっしゃるだろうと思ったのです。ぜひお読みいただきたいです。人間の幸せとはなんだろうと考えさせられる分析でした。

皇后エリザベートはマーガレットですか。マリー・アントワネットの上を行っていますね。

南米から入ったジャガイモが食糧難から救えるのでフランスに普及させるPRとして、マリー・アントワネットはジャガイモの花を帽子に付けたりしていたのを思い出しました。日本のドイツ文学の先生と話したとき、穀物栽培がフランスほどできないドイツでは、普及活動などはしないでも国民がジャガイモに飛びついたと言うので、面白いと思いました。

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