消えがてのうた part 2

アクセスカウンタ

zoom RSS リコーダーのための「フーガの技法」 CD付楽譜出版

<<   作成日時 : 2013/02/19 14:39   >>

ナイス ブログ気持玉 6 / トラックバック 2 / コメント 8




J.S.バッハの最晩年の大作「フーガの技法」は、バッハの死によって未完のままに終わった曲集です。

厳格で緻密な対位法によって構築されたこの曲集はバッハの遺作であり、音楽史上特別な意味を持っています。
ポリフォニー(多声音楽)の技法である対位法は、同時に奏でられる複数の旋律が、それぞれの独立性を失うことなく共存する、いうなれば複音楽的な組合せによる音楽の形式のことであり、
フーガとは、こうした対位法に基づいて、複数の声部の間で主題を様々なバリエーションによって模倣し、展開(応答)していく、ある意味では、数学的緊張感を伴った手法とされています。

一般的には鍵盤楽器で演奏されることが多い曲集ですが、バッハ自身は明確な楽器の指定をしていないのです。
少なくとも12曲目まではチェンバロ独奏を想定して作曲されたという研究結果もあるようですが、
現在では、チェンバロのほかピアノやパイプオルガンといった鍵盤楽器での演奏は勿論のこと、弦楽四重奏や木管楽器、オーケストラによる演奏も珍しくありません。




画像





今回、リコーダーJPから出版された楽譜は14曲のなかの第6番
ご案内がすっかり遅くなりましたが、実は昨年12月に出版されました。
そして当然ではありますが、リコーダ・アンサンブルのためのアレンジです。
この曲には「フランス様式 縮小形を持つストレッタ・フーガ」というサブタイトルがついているのですが、
ストレッタとは、複数の主題が重なるように呈示されること。
まず最初に提示されるひとつの主題が終了しないうちに、他の声部がその主題を引き継いでいきます。
バッハの時代、付点付リズムをフランス風と言い慣わしていたことから、付点のリズムが多用されいるこの6番も
「フランス様式」というタイトルがつけられました。


P氏によるCD演奏は、荒涼とした風景を吹く風を思わせます。
何か切迫した曲調は、死期を間近にしたバッハの心情を反映しているかのようです。
「数学的思考」を大の苦手とする私、厳格な対位法に基づく「フーガの技法」を論理的に楽しむ術を持ち合わせないことをなんとも情けなく思う反面、どのような手法によるものであれ、それが「音楽」であるかぎり、直接魂の奥底に響いてくるものだと感じていることも事実です。



S・A・T・GB(B)の4本のリコーダーのための今回の楽譜が多くの方たちによって演奏されること、
またP氏演奏のCDがその一助となることを願って止みません。

          ★CD付楽譜のお求め、試聴は→ http://www.recorder.jp/piece/3/3034.htm




武藤哲也リコーダー&オカリナ教室はこちら → http://folli-2.at.webry.info/201503/article_4.html 








テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 6
ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス

トラックバック(2件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
バッハ 多声音楽の情報
【送料無料】 Bach, Johann Sebastian バッハ / 『バッハを愉しむとき』(6CD+200ページ・カラー書籍) 輸入盤 【CD】 商品の詳細ジャンルクラシックフォーマットCDレーベルAlpha(france) *cl*発売日2011年12月05日商品番号ALPHA-889発売国Europe組み枚数6関連キーワード バッハ IMPORT VALUE CDB10 3760014198892 style708 【FS_708-2】 ・・・もっと見てみる --- ●リコ... ...続きを見る
バッハおじさん
2013/05/14 08:48
フーガの技法 第8番 出版のお知らせ
武藤哲也の演奏CD付楽譜です。 ...続きを見る
消えがてのうた part 2
2014/04/27 10:07

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
昨夜のうちに、面白く読ませていただき、きょう、検診に行った先の家庭画報で、絶筆のこの自筆譜が掲載されているのを見、感激しました。P氏のCD出版、ほんとうにおめでとうございます。
ぶんな
2013/02/20 22:26
CD出版おめでとうございます、、
バッハの この曲は想像はできませんが 荘厳な雰囲気は
伝わります、、 この世界にあそべるかたを
尊敬しちゃうわ〜
カタナンケ
2013/02/21 17:32
◇ぶんなさん

コメントをありがとうございます。
「フーガの技法」は去年出版されていたのですが、ご案内が3ヶ月近く遅れてしまいました。「フーガの技法」を同文章にしたらいいか、頭を悩ませているうち、徒に時が過ぎが過ぎて、気がつけばもう2月も下旬。お尻に火がついて、急遽アップの運びとなりました。それにしても、ブログをお読みいただいた翌日、バッハの自筆譜をご覧になられたなんて!うれしい偶然ですね。
aosta
2013/02/24 15:53
◇かたなんけさん

こんにちは。
今日は朝から強い風が吹いています。高く空に伸びた木々の梢が風に揺れているのをみていて、ふとバッハの旋律をイメージしたaostaでありました(笑)。
「フーガの技法」に限らず、バッハの作品というと、往々にして厳粛なイメージが伴うことが多いのですが、ああ、フーガもまた私たちの心の中を吹き過ぎてゆく風なのだと思った次第です。
aosta
2013/02/24 15:58
「フーガの技法」試聴させて頂きました。バッハ最晩年の作品なのですね。「荒涼とした風景に吹く風」を想像しながら聴いていました。人生を懐古しているような、どこか寂しくて切ない旋律ですが、穏やかな境地のような気もします。
けっこう長い演奏時間なので、これを演奏されるのはすごい集中力が必要なのではないかと感じました。それぞれの旋律が輪唱(ではないですが)みたいに展開して面白いですね。パイプオルガンでもいい感じになるかなあと思いました。
普段はポピュラー音楽ばかり聴いているのですが、それは主旋律と伴奏という形式ですね。小説に例えるとひとりの主人公と脇役みたいな、個人の物語。ポリフォニーというのは、主人公がいなくて、それぞれの役割で世界が構成されているというか。神様への捧げものいうことなのでしょうか。
ねこギター
2013/02/24 22:38
aostaさん、こんばんは。

このところ、フーガの技法を聴いていることが多かったものですから
aostaさんの記事を拝見して、ちょっとびっくりしてしまいました。

作品に関して専門的なことは、もうぜんぜん、さっぱり…と言う私なのですが
このなんともつかみどころのない作品に、なんだか惹かれるものがありまして。
私は、この曲を静かに考える時間を持ちたいときに聴くことが多いです。

映っては消え、また映っては消えていく感情、心模様に音楽を重ねて聴いている
のかもしれません。私には、広大で混沌とした?心の宇宙を音楽にあらわしているように感じられるのですよ。あ、これは私の感じ方ですので・笑

Papalinさんの演奏を、さっそく試聴させていただきました。
手元に置いておきたいので求めようと思います。




ANNA
2013/02/25 00:04
◇ねこギターさん

コメントありがとうございました。
 
>バッハ最晩年の作品なのですね。

バッハは「フーガの技法」作曲中の1740年代から視力がおとろえ、14番のフーガは未完のまま中断されてしまいました。その唐突な終わり方には胸を突かれる想いがします。未完成のまま出版された曲集には様々な様式・技法による14曲のフーガと4曲のカノンが収録されていたということですが、楽譜の評判はあまり良くなかったようです。どの声部も対等に扱われる多旋律のポリフォニーから、主旋律と伴奏からなるホモフォニーへと変わろうとしていたこの時代、あえて対位法に基づいた大作を世に問おうとしたバッハの心中にあったものとは、何だったのでしょう。

>主人公がいなくて、それぞれの役割で世界が構成されているというか。
神様への捧げものいうことなのでしょうか。

ねこギターさんのこの洞察には本当に共感いたします。
バッハの作品はどれをとっても捧げ物だったのかもしれません。

今回、ねこギターさんに聴いていただきました演奏は、出版社の指定による楽器で演奏されていますが、実音での録音がありますので、こちらもお聴きいただければ嬉しいです。パイプオルガンのイメージに近いと思います。
aosta
URL
2013/02/25 10:55
◇ANNAさん

こんにちは!

>このところ、フーガの技法を聴いていることが多かったものですから

ぶんなさんのコメントに続き、不思議な、でも嬉しい偶然です♪
対位法やフーガについては、私もさっぱりなのです(^_^;)
この記事をアップするのが大幅に遅れていた理由もまさにそこにありました。自分でも良くわからないことを書かなければならないという事態に四苦八苦。それでもこうして沢山のコメントを頂けたことは、ありがたいやら、申し訳ないやらのaostaであります。

>映っては消え、また映っては消えていく感情
広大で混沌とした?心の宇宙

6番に関しては本当に仰られるとおりですね。
たゆたうような音の動きには、(オーケストラと器楽曲という違いからくる音の厚みは全く違うのですが)ロ単調ミサの冒頭を彷彿させるイメージがあるように思いました。
一つ前のねこギターさんへのお返事にリンクしましたURLからP氏演奏の「フーガの技法」全曲をお聴きいただけます。こちらは実音での演奏なので8フィートによるアンサンブルになりますが、雰囲気の違いを実感していただければ幸いです。
aosta
2013/02/25 11:28

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文
リコーダーのための「フーガの技法」 CD付楽譜出版 消えがてのうた part 2/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる