庭のはなし





庭を巡る物語は、たくさんあるが、バーネットの「秘密の花園」が私の究極の庭かもしれない。

「トムは真夜中の庭で」、「グリーンノウのこどもたち」、「白壁の緑の扉」、「裏庭」などなど・・・
物語の中に描かれた庭はどれも魅力的で、それぞれが意志を持っている。
庭は時代や世代を超えて繋がるひとつの通路であり、人と人が出会い、別れる場所でもある。
再生の場所としての庭、始まりとしての庭は、ひとつの世界の象徴。
それは現実の世界で育つと同時に、心の中でも育ってゆく。
庭を作ることは、願望や夢を形にすること、自分だけの世界を作り上げることにほかならない。
ちいさな箱の中に作られた庭に投影された心の中の風景を共有する箱庭療法という心理学的手法もある。
庭が人であるなら、庭はものがたりなのだ。





画像





さて前置きはともかく、我が家の庭はと言えば、夢と現実が大きく乖離している現状。
遅ればせながら、今年は本腰を入れようと掛け声だけは勇ましいのだが
例年にも増して雨が多い今年の夏、雑草が伸びる!増える!!
それぞれのコーナーの草取りを一通り終らせ、やれやれと思う間もなく、
気が付けば、最初に草取りをした場所は既に雑草に占拠されている。
では、もう一度!と気力を奮い立たせ、再び草取りに励む。
さて、これで綺麗になったと思いきや、最初に草取りをした場所は、またもや雑草の天下と化している。
さながら、いたちごっこ(泣)。




画像






それでも、お天気さえよければ外に出たくなるのは、庭が生きているから、庭が呼ぶから。
もちろん、生きているのは庭の個々の植物たちなのだけれど、
全体としての庭、庭に付加されたイメージも日々育ってゆく。
しかしながら、人の思惑など所詮知れたもの。
こぼれ種で増える植物は、気ままに自分が好きな場所を選んで咲く。
自在にランナーを伸ばしては広がる。
一方で、どうしても居ついてくれない植物もある。

庭を作る、庭を育てる、などと大きなことを言っては見ても、
つまるところ、彼等が自由に花を咲かせ、葉を茂らせることが出来るように、
植物たちの声に耳を傾けることなのかもしれない。




画像





庭仕事に終わりはないが、世話する事ばかり追われて楽しむことを忘れてしまったら本末転倒。
幸か不幸か、我が家の庭は、一人で世話をするには手に余る広さ。
草刈りはP氏、草取りは私と役割分担はあるが、一休みの時間は、二人でのんびりと庭を眺める。
あの花が咲いた、あそこの野いちごが真っ赤になってる、などなど、それぞれの発見を報告し合いながら。
人も植物も自然体が一番。





画像





先日ひょっこり書記さんが遊びに来た。
彼女曰く「この庭って不思議な雰囲気よね。薔薇の花があるかと思えば、和の植物もある・・・。」

薔薇のたおやかさ、華やかさも、和風の植物のしっとりとした風情も、野草の可憐さも大好きだから、
計画的な植栽が苦手な私は、思いつくままに好きな植物を植える。
もともと花たちには何の区別も違いもないのだ。
この場所が気に入って、すくすくと育ってくれたら、それが私の庭なのだから。




画像






ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 2

ナイス ナイス

この記事へのコメント

2011年06月26日 10:49
「秘密の花園」、奇遇です。少しまえ(といっても昨年のことになりますが)に、やっぱりとても素敵なお庭をお持ちの方と話をしていたら、その方が「秘密の花園」を理想の庭に挙げてらっしゃいました。私も大好きなお話です。子どものころに読んだ絵本の「秘密の花園」のイラストが今でもはっきり心に残っています。

あらためて原文で読み返してみたら、ちょっとイメージが違いましたが、それぞれの読者にそれぞれの時代の「秘密の花園」があればいいのでしょうね、きっと。

「庭はものがたり」、まさにその通りだと思います。
アルト笛
2011年06月26日 13:21
庭って不思議な存在です。それぞれのお庭がそれぞれの「秘密の花園」というべきか。
写真で見せていただくだけでも広大なお庭、お2人で手入れをされるのはかなり大変なのでしょうね。でもそのお庭が新たなお2人の時間を作っているようにも想像されて、何だかとてもほんわかしたものも感じています。

私はマンション住まいで庭はないのですが、ぼちぼち様子を見に行く回数も増えてきた義父母の家の庭は、小さいけれど手入れする私にも楽しみを分けてくれるようになりました。
柿木の下の日陰は、どこかの北海道フェアでもらってきたスズランがその場を気に入ったらしく、数年経つうちにどんどん増えました。そのスズランの根本の際から、あたかもスズランです!って風に出てくるドクダミの新芽。趣向を凝らして子孫を残そうとする草たちを雑草にして抜いてしまうのがちょっと可哀想になりながら、草取りしています(笑)。草をむしっていると無心になれたり、ゆっくり考えを巡らせたり、時には自分が草の下に小人で入ったような、そんな変なこを想像したり…、あっという間に1時間くらい経ってしまいますね(#^.^#)

不思議なことに、義母が退院したら、主が帰ってきたとばかりに庭も元気になりましたね。それを感じて義母も庭に降りられるようになり、少しずつ水もやれるようになり、今では自分のペースで土もいじれるようになりました。あの庭と義母は何かでつながっています。
2011年06月26日 15:55
こんにちは。
庭のはなし、aostaさんの実感がよくわかって面白かったです。「話」では堅くなるので、「はなし」にして柔らかく伝えてくれましたね。^^
心の庭、まさにそうですね、この現界自体が想念から出来ているといいますから、さもありなんですね。
2011年06月27日 05:21
◇ももごろうさん

コメントありがとうございます。
「秘密の花園」、原文でお読みになられたなんて羨ましい。
物語、と言うものは、読む人、読む場所で感じ方が変わってゆくものですね。そして、読んだ後の年月を経て、「その人だけ物語」へと育ってゆくのかもしれないと思います。お友達の「秘密の花園」のイメージは、その方だけの宝物、きっと素敵なお庭なのだろうな、と想像します。

我が家の庭は、ちょと事情があって、ここ数年世話をする人のいないままだったのです。一昨年まで、腰丈まで伸びた雑草に一面覆われた、まさに廃園でした。雑草を刈り、朽ちた木を整理し、新しい薔薇や植物を植えて、なんとか庭らしくなってきたのは去年あたりから。ですからこの庭は、「再生」と言う意味でも、私の「秘密の花園」なのです(^^ゞ
2011年06月27日 05:40
◇アルト笛さん

丁寧なコメントをありがとうございます。
読ませていただいて、いくつも共感するところがありました。
特に、入院してらしたお義母さまがお帰りになったら、庭も元気になったというところに、感動と共感を覚えます。そうなんです。庭はさびしがり屋だから、大切にしてくれた人の手を懐かしがるのです。お義母さまにしても、病院にいらっしゃる間も、ずっと庭の事を考えていらしたのではないかしら。
庭と繋がっている・・・それは本当のことですね。

ドクダミの「擬態」のお話には、思わず笑ってしまいました。
私もね、よく騙されます(笑)。抜かずに大事にしていた新芽が、大きくなったら手に負えない雑草だったりすることはしょっちゅう。雑草にしたら、必死です。
何も好き好んで雑草してる(笑)わけではないのですものね。
私も草取りの時間は、自分の世界にどっぷりつかるタイプですから、自分が小人になったような感じも、すごく良く解ります♪
ちょうどお友達に薦められた「小さいひとたち」の物語を読み終わったところです。すごく素敵な「引き出しの中の家」というその本について、近いうちに何か書けたらいいな、と思っています。

お義母さまどうぞお大事に。
2011年06月27日 05:47
◇harukaetoさん

おはようございます。
独り言のような「庭のはなし」を楽しんで下さいましてありがとうございます。

現実の世界は、それぞれの想念から成っている・・・
あまたの人の、あまたな想念が今の世界を作るものなら、想念が変わることによって世界も変わる野でしょうね。良き想念が良き世界を作り出すことを、私も信じています。人が心の中の庭で美しいもの、善きものを大切に育てることができれば、世界が変わるのかもしれません。
琳々
2011年06月27日 13:28
私も庭をめぐるお話が大好きです。「トムは真夜中の庭で」「グリーン・ノウのこどもたち」(一巻だけですが汗)「白壁の緑の扉」「裏庭」そして「秘密の花園」読みましたよ。英国の庭はいいですよね。それもこっそり忍び込むような、隠れた秘密の庭が・・・。それは楽園なのかも知れません。aostaさんはすでに「秘密の花園」をお持ちですね。いつも素敵なお庭だと思っています。私はといえば、今も楽園に通じる扉を探す日々です。
2011年06月27日 19:22
◇琳々さん

「白壁の緑の扉」は、琳々さんに教えていただかなければ、出会う事がなかった本かもしれません。思い出の中の至福の庭への憧れが主人公の一生を支配する、美しくて悲しくて、最後はきっと、彼が再びあの庭を見出したのだと信ぜずにはいられない、素晴らしいお話ですね。
梨木果歩の「裏庭」以外はすべて英国の物語、と言うのが、いかにも!!と言う感じです。お話の中の庭は、みんな長い歴史を生きてきた庭ばかりです。庭を愛する、庭に自然を見る、と言う感性はイギリス人と日本人に共通したものかもしれません。フランス庭園の幾何学的整形ガーデンからは物語は生まれにくいでしょうし、アメリカと庭の物語、は、いまひとつ、しっくりきません(笑)。
2011年06月29日 01:30
先日はありがとうございました。
すっかり酔っぱらってましたね(笑)
前言訂正
「この庭は不思議な場所よね。お酒もあれば歌もある。」
お歌の本ご用意下さいませね~!!

2011年06月29日 06:28
◇書記さん

>「この庭は不思議な場所よね。お酒もあれば歌もある。」

P氏はすっかりご機嫌でしたね(^^♪
お酒と音楽、これさえあればいつもご機嫌なPです。

おお、そう言えば「酒と薔薇の日々」と言う映画もありましたっけ?
あれを地でいったらちょっと困りますが(笑)・・・
「The days of wine and roses」と言う出だし、好きだったわあ~。

この記事へのトラックバック