消えがてのうた part 2

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zoom RSS 旧井上邸の庭

<<   作成日時 : 2010/11/30 17:29   >>

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      旧井上房一郎邸は
      昭和26年東京麻布に建てられたレーモンドの自宅兼事務所を写した建物として知られる。

      麻布のレーモンド邸にはなかったという和室。
      房一郎が夫人のために新たに用意したというこの部屋の南側は
      大きく開かれて庭の紅葉が一幅の絵のようだ。


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       軒下は従来の日本家屋に見られる濡縁ではなく、土間に鉄平石が張られたテラスのようなしつらえ。            
       雨の日には雨樋の無い軒先から絶え間なく滴り落ちる雨が白いカーテンのように揺れるだろう。
       雨落ちに敷き詰められた玉石が、雨にぬれて黒々と光るさまを想像しながら
       もう一度この場所を訪れるなら雨の日がいいと思っていた。
       
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       庭に出てその紅葉の前を過ぎると、木立の中にこじんまりとした庵が見えてくる。
       井上家の仏間だ。
       設計者レーモンドには、生活の場と祈りの場は別の場所に、というイメージがあったのか。
       ヨーロッパの王侯貴族たちが居城とは独立した形で礼拝堂を建てた時代を模したのだろうか。
       その想いは知るところではないが、屋根に黄葉した欅の葉が散り敷いた建物は、ひっそりと慎ましやかだ。

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                仏間から飛び石伝いに植栽の陰を回り込んで茶室へ向かうと
                一本の竹を横に渡しただけの簡素な入口に出た。

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                その先には、広葉樹の緑がつややかに照る露地。

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                蹲(つくばい)には、紅葉した葉が一枚。
                水の色だけが深い。

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                振り返れば、秋空を背景にして立ち上がったビル。

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                ビルの足元では、井上邸が暮れなずんでいく。







      ★アントニン・レーモンドの旧井上邸 → http://folli-2.at.webry.info/201011/article_14.html







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アントニン・レーモンド 「夏の家」
睡鳩荘に心を残しながらも、次に向かったのはアントニン・レーモンドの設計による「夏の家」。 ...続きを見る
消えがてのうた part 2
2011/10/18 21:04

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
 日本人の美意識、生活感覚をよく理解していたレーモンド。4枚目の写真、感服しました。茶室への入り口としてまことに相応しい作りと思われます。素晴らしい感覚です。日本人以上と。
 仏間が独立して建てられているのはいまだ見たことがありません。ふと旧約聖書の幕屋とか聖所を想起しました。
 紅葉が散り敷かれた屋根、良いなと思います。家屋も自然の一部、自然と共に呼吸しているような感じがして。
 井上邸散歩、楽しませていただきました。
bunbun
2010/11/30 21:09
◇bunbunさん

こんばんは。
竹一本で入口と了解する文化もすごいな、と思います。
このちいさな入口のこちら側と向こう側とで世界が変わる事を知らせるために、竹一本!この高度に洗練された感覚には、ため息が出てしまいますね。
独立した仏間と言うのは私も初めてでした。でも日本は広い!
地域によってはそう言った作りもあるのかもしれないと思ったのですが、bunbunさんのコメントで、お住まいの地方でも独立した仏間はない、ということでいいのでしょうか。日本人的な感覚としては、日常的な生活の場に設置したい気持が強いような気がします。それぞれ別の作り、と言うのはやはりレーモンド的な感覚ではないかと思いますが、彼を信頼して設計を播一任した房一郎も懐が深い人物だったのでしょうね。
aosta
2010/11/30 21:31
aostaさん、こんばんは!
ついついショパンの番組を見てしまい、今時に参上となりました。

 仏間がまったく独立した建物としてあることについてですが、
私が見たことがないと言いましたのは、恥ずかしながら、私の親戚関係、友人関係の敷地内では、ということで、全県ではどうなっておりますか把握はしておりません。
 ただちょっと気になり一箇所だけ検索してみますと、
☆お仏間は、本来一つの独立した部屋を以って仏間とされていましたが、近年在家仏教のすばらしい発展にともない、どの家庭におかれましてもお仏壇安置される様になり、住宅状況、生活様式等の変化により、床の間のある部屋、床脇に仏間として設計されるのが通例となってまいりました。
 とありました。
 これだけで言えるかどうかも分かりませんが、やはり、仏間として別な建物があるというのは異例であるかもしれません。aostaさんが仰る通り、
>日本人的な感覚としては、日常的な生活の場に設置したい気持が強いような気がします。
 ですよね。
 この仏間、出家した方が籠もりそうな感じもしてきます。
 
bunbun
2010/12/01 22:22
◇bunbnさん

おはようございます。
わざわざ検索してくださったのですか?ありがとうございます!

>お仏間は、本来一つの独立した部屋を以って仏間とされていました

そう。私の認識もここまでなので、全く別に独立して建てられた仏間と言うのは初めてだったのです。井上邸の仏間は、レーモンドの西洋的な発想と、従来の慣習に捕らわれない房一郎のおおらかさがあってこその建物だったかもしれませんね。

この仏間も茶室も、外から拝見するだけで、中に入ることはできなかったことが残念です。
aosta
2010/12/02 06:45

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