暁色のジャム






「夜中にジャムを煮る」というエッセイがある。
「昭和」という時代の食卓。
世代を超えて食を受け次ぐということの意味が、シンプルで歯切れよい文章で語られる。


その中の一文。




      ジャムは夜ふけの静けさのなかで煮る。
      世界がすっかり闇に包まれて、しんと音を失った夜。さっと洗ってへたをとったいちごをまるごと
      小鍋に入れ、砂糖といっしょに火にかける。ただそれだけ。
      すると、夜のしじまのなかに甘美な香りが混じりはじめる。暗闇と静寂の中でゆっくりとろりと
       とけてゆく果実をひとり占めにして、胸いっぱい幸福感が満ちる。

                                 平松洋子 「夜中にジャムを煮る」 新潮社







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私は夜中に本を読むことはあっても、、ジャムを煮るのはいつも朝。
陽が昇る前、森の中ではまだ鳥たちも眠っている時間。
ゆるゆると明けてゆく夜を窓外に見ながら。

夫が起きてくる時間には、家の中が甘酸っぱいジャムの香りでいっぱいになる。





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ルバーブのジャム。
朝の食卓で赤い宝石のように光る。








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この記事へのコメント

かざぴー
2010年11月16日 10:02
ご無沙汰しています。
ルバーブのジャム、やはり赤の方がおいしそうですね。
今の季節でもあるのですか?私は
夏に山荘で、緑のルバーブをたくさんいただいたので、
ジャムにして、お土産にしました。
でも見栄えからすれば、「暁色」にはかないません。
冬は足が遠のいてしまいますが、またお会いできるのを楽しみにしています。
bunbun
2010年11月16日 11:16
またまた出没です。
ルバーブのジャム作り。ほんのりと温かく、甘やかな香りまでしました。
確かに3食作っている私ですが、いつもどうやったら短時間でできるか、まるでそのことに毎日挑戦しているかです。茶碗洗いもいかに短時間でなしおえるか。いまこの記事を読ませていただいて、どんなに急いでも30分とは違わないだろう、ならば朝ならば朝明けの光に浴し、心穏やかに、心柔軟に素朴な料理作りでも心をこめて、心豊かにすれば良かろうものをと思いました。
朝の静寂にコトコトと煮える食物。三食作りにも芸術はあるはずですね。
 ジャムの小瓶の蓋はやはり硝子でしょうか。食卓に置く小瓶にすこしの気遣いがあるだけで置いてある回りの空気も変わってくるのでしょう。
 きれいな赤です。

万事をあまりに急ぐために、物壊しが多いです。割れたお皿や茶碗がぼろぼろ涙している姿がいま浮かびました。心改めます。

2010年11月16日 19:44
◇カザピーさん

こちらこそ夏以来の御無沙汰をお詫びしなくてはなりません。
このルバーブはボンボンのお散歩コースにある別荘の方から頂いたものです。
(前にも何度か頂いているのですか)ルバーブ・ジャムというと大抵くすんだ緑色をイメージしますが、その色でずいぶん損しているように思います(笑)。
やっぱり「暁色」の方が美味しそうに見えますよね。
今回私はレモンではなくリンゴを入れてみました。酸味の強い紅玉です。
出来上がりは、レモンの時より酸味が柔らかいような気がします。
今年はワイルドストロベリーの時期に雨ばかり降って、実が痛んでしまいました。ブラックベリーはと言えば、熟すはじからヒヨドリに食べられてジャムどころではありませんでした。とは言え、一番の原因は私の怠慢なのですけれど(汗)
山荘を閉じられる冬の間は、この場所でお喋りを楽しみましょう。
2010年11月16日 20:07
◇bunbunさん

>またまた出没です。

「出没」はいつでも大歓迎ですよ♪

出来たばかりの、まだ暖かいジャムは本当に美味しいですね。
ルバーブは火にかけてすぐ煮溶けるので、思い立ったらすぐに作る事が出来ます。
ジャムを作るのに最適な琺瑯のお鍋がありますので、次回は林檎ジャムでも作りましょう。その時は少しシナモンを効かせて。

ジャムが入っているのは、ガラスの保存瓶です。しっかり煮沸滅菌すれば、常温での長期保存が可能と言う優れものですが、機能一点張りではなく、形も可愛らしいところが気に入っています。

>物壊しが多いです。

わたしもそそっかしいので、あっ!と思った時は既に遅し!!と言うパターンがよくあります。Pからは「aostaの作品」と呼ばれています(笑)。
2010年11月16日 21:39
ルバーブって、大黄の一種ですよね。
ぼくらは、大黄甘草湯とぴって、便秘の薬として使います。
女性には、いいジャムでしょうね。
いや~~、ちょいと、文学からは外れましたが。
こちらでは、見たことがありません。
寒冷地を好むのでしょうか?

ガラス瓶に色とりどりのジャム

絵になりますね。
Bierfass
2010年11月17日 00:09
ルバーブの風味を想像して思わず唾を飲み込みました。

> 起きてくる時間には、家の中が甘酸っぱいジャムの香りでいっぱいに

なんと幸せな情景!
2010年11月17日 05:34
◇takasiさん

おはようございます。
そうです、そうです!漢方でいうところの大王、じゃなかった、「大黄」。
繊維が多いので、昔からお通じの薬として使われているあれです。
食べ過ぎるとお腹がゆるくなるらしいのですが、わたしなんかぱくぱくたべても大丈夫です。ちなみにジャムを食べなくても毎朝お腹は快調です。

ルバーブの原産地はシベリアだそうです。日本では主に北海道と信州で栽培されているとか。やっぱり冷涼な気候を好むみたいです。このあたりでしたら植えっぱなしでもお化けのように大きくなるのですが(笑)
茎が赤くなるものと、緑のままのもの2種類あります。
2010年11月17日 05:48
◇Bierfasさん
 コメントありがとうございます。

>思わず唾を飲み込みました。

ねっ?おいしそうでしょう?
(色が綺麗と言う視覚的なこともあるかもしれませんが)
あさの散歩でキノコが山ほど採れたり、ジャムの材料をちゃっかり頂いて帰ったり。住んでいる人が少ない分、顔見知り同志は親身になるのかもしれません。

子供の頃、台所から聞えてくる音で目が覚めました。
暖かい湯気や、ご飯が炊ける甘い香り。美味しそうなお味噌汁の匂いがしてくるころになると、すっかり目が覚めて、今日は何のお味噌汁だろうと鼻をクンクンさせたものでした。
Bierfassさんの「フガ林檎」、少し酸味を足してジャムにしたらどうかしら、などと考えていました。
Bierfass
2010年11月17日 23:49
林檎ケーキにと思っていましたが、ジャムもいいですね。
ご提案ありがとうございます。
2010年11月18日 06:45
◇Bierfassさん

林檎ケーキはジャムになりませんが、ジャムはパイにもけーきになります(^^♪
私は林檎をあまり小さく切らず、歯応えがわかるくらいの大きさで煮ます。
シナモンスティックが好きなので、これもmustです。お砂糖控えめなので、お腹がすくと、これだけ舐めてます(笑)紅玉で作ると最高です。

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