vol.5サマー・コミングル / ドップラー「ハンガリーの主題による幻想曲」 




今までドップラーと言えば「、ハンガリー田園幻想曲」しか知らなかった私にとって、とても新鮮な経験でした。



  演奏は    
       フルート1  佐々木真さん          
       フルート2  本田玲子さん     
       ピアノ    宇治田かおるさん





演奏会場で一度聴いただけの曲について書くことは思ったより難しく、ただ印象だけを書き留めたに過ぎませんが、
初めて聴く曲にこんなにも魅力を感じたのも、その演奏が素晴らしかったからに他なりません。



冒頭、明るく快活に始まるピアノを追いかけるように、優雅で愛らしいフルートの旋律が続きます。
どこか土の暖かさ・懐かしさを感じる「田園幻想曲」に対して、この作品からは上品なコケットリーが聴こえてくるようです。
小鳥のように歌い、戯れる二本のフルートは、佐々木真さんと本田玲子さん。
「ハンガリーの主題による」という言葉の通り、田園幻想曲と同様、遠く近く東欧の哀愁が流れています。
私に一番身近なリコーダーの響きが、ある意味直線的で透明、ピュアな響きだとすれば、
フルートは柔らかく滲んでいくような響きです。
その音色に複雑で多彩な表情を感じるのは、肌のぬくもりが伝わってきそうな豊かな倍音ゆえなのかしら。




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当初の愛らしい小鳥の戯れに耳を預けているうち、いつしか、しのびやかな憂愁の気配が落ちてきます。
甘く物哀しい旋律は野に満ちて、私の心を風のように切なく揺すっていきました。


やがて明るいピアノの響きに誘われ、束の間の放心から呼び戻されたかのように、曲は華やかな乱舞へと変わっていきます。
誘うように、また煽るように、滑空しては翻る佐々木さんのフルート。
本田さんのフルートも遅れをとるどころか、ときに、更なる上空にまで舞い上がって歌います。
まさに二本のフルートの蜜月とも言うべきこの演奏を、さらにも魅力的にしているのは、宇治田さんの情感のあるピアノ。
この三人が奏でる絶妙なアンサンブルは、伸び伸びと自由に吹き渡り広がっていきました。




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銀色に光る白髪が素敵な佐々木さんは本田さんの先生。
本田さんは爽やかでキュートなクライマー(?!)
いつもにこにこと微笑んでいらっしゃる穏やかな宇治田さん。
ステージの上でも、ステージを降りても魅力的な方たちでした♪




まだまだつづく(笑)・・・




       ★Vol.5 サマー・コミングル@蓼科~プロローグ 
                  → http://folli-2.at.webry.info/201008/article_1.html
       
       ★Vol.5 サマー・コミングル@蓼科~テレマン四重奏曲二短調
                  → http://folli-2.at.webry.info/201008/article_2.html

       ★vol.5サマー・コミングル / マルティヌーそしてシューマン
                  → http://folli-2.at.webry.info/201008/article_5.html


この記事へのコメント

bunbun
2010年08月06日 10:55
aostaさん
う~ん。この音楽表現を読むうちに
>甘く物哀しい旋律は野に満ちて、私の心を風のように切なく揺すっていきました。
わたしも、このような思いになりましたから不思議です。
演奏された曲を知りませんので、文字の表わすところの旋律を流しましたところ、楽器がいよいよ澄明に弾んで小川が流れるごとく、5月の林の光のごとくに…
言葉だけでも頭に音楽が流れることってあるんですね。すばらしい体験をさせていただきました。この文章で飾っていただける奏者の方々が羨ましい。というよりも心に響く演奏だったからこのような表現が織りなされたのでしょうか。
佐々木真さん、本田玲子さん、宇治田かおるさんのお名前、しかと心に刻みました。
2010年08月06日 21:32
◇bunbunさん

こちらにもコメントをくださいましてありがとうございます
言葉で音楽を語ること、言葉で音楽を表現することはなんて困難な事かといつも思うのです。
音楽はいつも言葉より言葉少なく、言葉を超えて、言葉より深く語るもののような気がしてなりません。あえない砂上の楼閣とは思いつつも、毎回音楽を言葉で表現したいという無謀にして不遜な夢を追いかけています(笑)。

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