Vol.5 サマー・コミングル@蓼科 / プロローグ





全国から、また遠く海外から、三々五々メンバーが集まり、
29日から三日間の練習を経て演奏会の運びとなったサマー・コミングルのコンサートが終わりました。

今回のコミングルで、P氏は「お客様」としてではなく演奏者の一人として、
そして私は裏方としてお手伝させていただける幸いに恵まれました。

素晴らしかった夏の宴。
28日に初めて顔を出してからまるまる5日間、音楽漬けの毎日が終わり、充実感を感じる一方で、
何とも言えない寂しさと虚脱感を感じています。


朝から夕食の準備が整うまで、ホールと別館の二か所に分かれてのアンサンブル練習が行われている間、
食事の準備をしながら、しなやかなヴァイオリンの響き、森の中を縫う管楽器の音色に耳を傾け、
低音弦が刻む心地よいリズムに身体を預けている幸せ・・・
そして音楽の話に花が咲く食事を楽しんだ後は、思い思いワインやビールを片手に夜が更けるまで、再びの音楽談義。
それも第一線で活躍されているプロの演奏者と、アマチュアの演奏者が忌憚のない意見を交換し合うという、
夢のような四日間でした。



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モーツアルトのピアノ・コンチェルト№21の第二楽章。ゲネプロでの1枚。





「プロ同士での集まりで、こんなに熱く音楽を語り、そのことを楽しむことはあまりないんです。
演奏会が終われば、御苦労さま、でおしまい。
音楽をする喜びや音楽を語る喜びからは遠いのが実情です。
でもコミングルでは、参加するたび音楽への愛情を呼び覚まされ、また、多くの事に気づかされ、新しいことを学べる。
毎年蓼科で皆さんと顔を合わせるのが、本当に待ち遠しいんですよ。」

こんな風に語って下さったプロの演奏者がいらっしゃいました。
その言葉の通り、ここには「プロ」と「アマチュア」という閉鎖的で曖昧な壁は在りません。
皆が音楽を愛する仲間であり、音楽に満たされた時間を共有する同志なのです。
30人近いメンバーのほとんどは、学生時代から現在に至るまで、個人で、また地元オーケストラのメンバーとして活躍していらっしゃる方たちですから、アマチュアとは言え、筋金入りの方たちばかり。
72歳を最年長とするシルバー世代と、将来を嘱望される気鋭の若手演奏家や音大の研究科に籍を置く若者たちが、
同じ目線で音楽について、また人生について、丁々発止のやり取りをするという、素敵に魅力的な音楽の場です。

「コミングル」という名に相応しいこのステージを、毎年準備して下さるのは、安井敏雄さん理子さん御夫妻と、元東京交響楽団の首席フルーティスト佐々木真さん、ヴァイオリニストであり洗足学園音大、桐朋学園大学講師の梅津美葉さんです。
そして、NHK交響楽団で活躍されていたチェロの茂木新緑さん初め10人のプロの演奏者がバックアップして下さいます。
これを「音楽の饗宴」と言わずして何と申しましょう。

29日から三日間の合同練習を経て迎えた8月1日。
いよいよ演奏会の当日です。



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こちらは本番。テレマンの四重奏曲二短調。







午前中のチャレンジ・コンサートはプロとアマチュアのアンサンブル。
午後からはプロの皆さんによる演奏会です。
P氏が演奏させていただいたのは午前中のチャレンジコンサート。
テレマンの四重奏曲二短調の第一・第四楽章でした。

今回は、20年以上P氏とともに活躍してくれたアルトリコーダーの調子が悪く、
以前から気になっていたリコーダー本体のひびが一層大きくなって、息が漏れるという瀕死の状態。
なんとか、この演奏会の間だけでも頑張って鳴ってほしい。
P氏も私も、祈るような思いでした。



つづく・・・




        ★Vol.5 サマー・コミングル@蓼科~テレマン「四重奏曲二短調 」  
                        → http://folli-2.at.webry.info/201008/article_2.html

        ★Vol.5 サマー・コミングル@蓼科 ~ドップラー「ハンガリーの主題による幻想曲」
                        → http://folli-2.at.webry.info/201008/article_3.html

        ★ vol.5サマー・コミングル / マルティヌーそしてシューマン
                        → http://folli-2.at.webry.info/201008/article_5.html




この記事へのコメント

reiko
2010年08月03日 02:22
さっそく遊びにきました!
毎年、音楽を楽しむだけでなく、人との交流も楽しいコミングル
今年もaostaさんご夫婦をはじめ、素敵な方々との出会いがあり
東京に帰ってもまだ興奮しています。
またお会いできる日を楽しみにしております。
また覗きにきます!
2010年08月03日 08:30
◇reikoさま

お越しいただきましてありがとうございます !(^^)!
私たちにとっても、この三日間は夢のような時間でした。
あの素晴らしい非日常からいつもの日常になかなか戻ることができず、二人で一日、ぼおっとすごししまいました。今回さまざまな方と出会い、一緒に音楽を楽しませて頂きました事は、この夏の何よりの宝物です。
御一緒に全曲演奏する機会がありますことを心から願っております。
まだお疲れが取れないのでは、と思います。
どうぞご自愛ください。
2010年08月03日 23:38
素敵な演奏会でしたね!!
私は、P氏ももちろんですが、その他の演奏者では茂木新緑氏のチェロがとても印象に残っております。
無駄の無い動きと音色に魅了されました。
あの空間も良かったですね。
間近で生の音を聴ける機会に恵まれ豊かな時間を過ごさせていただき、ありがとうございました。
yuri
2010年08月04日 10:45
本当に素敵な一日でした。
間近で聴くことができ、演奏者一人一人の音、表情が感じられ、魅力的な演奏会でした。この方の演奏をまた聴きたい!と思えるほど、皆さん素敵でしたね。
P氏の体調も心配していましたが、本当にすばらしい演奏でした。
そして、フルートのreikoさんの着物柄の衣装がまたしっとりと素敵で、P氏の衣装ともとても合っていて目と耳で美しさを堪能させていただきました。
モツレク、コミングルと大イベントが終わってしまい、秋の気配を感じたり、なんだか寂しい…と思われている頃と思いますが、次はいよいよ合宿です。
お会いするのを楽しみにしています。
2010年08月04日 22:25
◇書記さん

コンサートをお聴きくださいましてありがとう!
茂木さんのチェロは本当に素晴らしいと思います。その響きに漲る音楽を感じてぞくぞくしたのは、2年前初めて茂木さんのチェロで、ドヴォルザークを聴いた時でした。
まさかその2年後に、テレマンで通奏低音を演奏していただけるなんて、P氏も私も考えもしないことでした。実際の演奏を目の当たりにして生の音を聴く経験が、不可逆的体験であるが故に、その感動はより深く忘れ難いものになるのかもしれませんね。
失われた音楽への想いを反芻するたび、感動は鮮やかに蘇り、かつて在って、今はないものへお想いが胸を震わせます。
文学とも美術とも異なる、音楽が時間芸術であるが故の拘束が、結果的に音楽への憧憬を強く深くするのかもしれません。
近いうちにゆっくりお目にかかって、あの日の感動をもう一度ご一緒したいですね♪
2010年08月04日 22:43
◇yuriさん

reikoさんのフルートは本当に素敵でしたね。
暖かな低音、柔らかで緻密な音の運びが素晴らしいと思いました。
着物を仕立て直されたというドレスが本当に似合っておいででした。言われてみればP氏のシャツも和のテイスト。なるほど、申し合わせたようにぴったりの雰囲気でしたね♪

reikoさんの立ち姿は本当にほれぼれするほど美しいと思いました。
なんとも言えない情緒を感じさせる表情が魅力的でした。
演奏しているときの表情は彼女の音楽の本質を語っていたように思いました。
願わくば、reikoさんと再びこの曲を演奏する機会が与えられますことを願っています。
その時はもちろん全曲演奏で(*^^)v
bunbun
2010年08月06日 11:03
プロの方々の懐の深さ、これがアマを、後進を、若い人々を更なる音楽の高みへと誘ってくれるのでしょう。このようなプロの方々に写真上ででもお会い出来たことは感謝です。それぞれのすばらしい出会い、その会話のなかにいるような心持ちでブラボーを送ります。
2010年08月06日 21:38
◇bunbunさん

今回コミングルで御一緒させて頂きましたプロの方たちは、本当に懐の深い、大きな方たちだったと私も思います。アマチュアがプロの皆さんと一緒に楽しみながら音楽をする、という機会はそうそう在るものではないでしょうし、そもそもプロとアマチュアが一堂に会してともに音楽を楽しむ、という発想自体がありえない音楽界にあって、こうしたコンサートが5回も続いていると言う事だけでも素晴らしいと思います。

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