この春、植えたばかりの薔薇に蕾がつき、連日の雨の中で、少しづつ、でも確実に膨らんでいきました。 わずかにほころびかけた段階で、すでに溜め息が出るようなこの色。 透き通るように淡く繊細なピンク色の蕾に、青く憂いが差しています。 繊細な花びらが、雨に打たれて痛みはしないかと、そればかりが気になって、 日に何度も庭に足を運びました。 そして台風が去った朝、雨に洗われた清浄な空気の中で、 凛と辺りを払うような気品に満ちた花が開きました。 ふわりと重ねられた和紙のように、薄く翳りを帯びた繊細な花びらのこの薔薇は、 1984年にドイツで作出されたハイブリッド・ルゴサ、Schneekoppe(シュネーコッペ)です。 ドイツとポーランドの国境近くにある山に因んでつけられた名前というけれど、 直訳すれば「雪に覆われた山の頂き」とでも言う意味になるのかしら。 寒さに強いルゴサ系のこの薔薇は、pavement(舗道)脇に植えられることが多かったことから Snow Pavement と呼ばれることもあると聞きましたが、それでは少々味気ない。 私はドイツ語のSchneekoppeという呼び方のほうが、何倍もこの花に似合っていると思います。 そしてこの薔薇が素晴らしいのは繊細な花容だけではなく馥郁とした深い香り。 スパイシーなのに柔らかい、相反する印象の香りが陶然とひとつに融け合っています。 半八重の花が開ききると、花芯には輝くような金色のシベ。 明るい緑色の葉にはルゴサ特有の葉脈。 ルゴサ(ハマナス)と言えば棘がきついと言うイメージですが、この薔薇の棘は (まだ新苗だからかもしれませんが)一般のルゴサよりおとなしいような感じです。 秋には真っ赤なローズヒップが楽しめるこの美貌の薔薇に、早くも私は一目ぼれ。 |
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タイトル (本文) | ブログ名/日時 |
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内 容 | ニックネーム/日時 |
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>青く憂いがさしている |
bunbun(中ぶんな) 2012/06/26 23:24 |
どのように形容しようかと言葉が継げないくらい美しい色ですね。それに雨の水滴がより清潔感を与えているように思います。 |
アルト笛 2012/06/27 00:32 |
おはようございます! |
Napoli URL 2012/06/27 06:47 |
おはようございます。 |
PJmaam URL 2012/06/27 09:20 |
きれいな色〜!憧れちゃいますね。 見方によって色が違っていたり、濃い部分が合ったり薄い部分があったり。 想像するに香りも芳醇そうな気がしますけど、どうでしょうか? オレンジと黄色のバラが好きだけど、こういった色も好きです。最近は茶色もあり目移りしちゃいます。 |
mint 2012/06/27 23:25 |
◇bunbunさん |
aosta 2012/06/28 05:46 |
◇アルト笛さん |
aosta 2012/06/28 07:31 |
シュネーコッペ、、 |
カタナンヶ 2012/06/28 10:09 |
ん〜〜ん、いいですね〜〜〜。 |
takasi 2012/06/28 15:49 |
◇Napoliさん |
aosta 2012/06/28 22:34 |
◇PJmamaさん |
aosta 2012/06/28 22:45 |
◇mintさん |
aosta 2012/06/29 05:20 |
◇カタナンヶさん |
aosta 2012/06/29 05:28 |
◇takasiさん |
aosta 2012/06/29 09:14 |
aostaさん、本当に本当にご無沙汰してしまいまして誠に申し訳ありません。ここ最近の心境の変化を二つほど記事にしたら、正式にaostaさんには再開のご挨拶をしようと思っていたのですが、記事の体裁を整える前の仮の掲載の状態で先にコメントいただいてしまい大変お恥ずかしいとともに、とってもとっても嬉しいです。 |
kero URL 2012/07/01 07:31 |
◇keroさん |
aosta 2012/07/01 11:36 |
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